「自分にもっと才能があれば…」
誰しも一度はそう思ったことがあるだろう。活躍する同期、年下の有名人、同世代の天才…素直な称賛とは裏腹に「自分だって、本気出せばできるはず…」と思い悩んでいないだろうか。
「『才能がない』と諦める必要なんてない。」そう語るのは、“才能”をテーマにした漫画『左ききのエレン』で累計420万部超を突破した漫画家のかっぴー氏だ。現在はアニメ化・複数連載を抱える人気漫画家だが、実は誰よりも才能に苦悩し続け、25年以上『才能の正体』を考え続けてきた。今回はその“実践的な才能論”を初めてまとめた書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』の中から、「あなたが持つ才能の正体」に迫る。
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「ガッツだけは自信があります!」
想像してみてほしい。
25歳の若手社員が「僕はガッツだけは自信があります!」と自己アピールする姿は、ある程度好ましく映るはずだ。やる気も熱意も十分で、きっと、拙いかもしれないけれど、一生懸命な仕事をしてくれるだろう。多少のミスがあったとしても、誠意でリカバリーしてくれる…そんな期待も持てるのではないだろうか。
ではここでもう1つ考えてみてほしい。
もしこれが「40歳の中年社員」の発言だったとしたらどうだろう。
40歳のいい大人が「ガッツだけは自信があります!」と言うのは、何のアピールにもならない。それどころか、「他に自信のあるスキルはないのか」「これまで何をしてきたんだ?」と不審がられる可能性だってある。
同じ強みを持っているにしても、「誰がその強みを持っているか?」で、ここまで受ける印象が違うのだ。
自分の武器=「カード」を知る
僕は、いわゆるスキル・特性など人が持つ力のことを、それぞれの局面を打開する武器=「カード」として捉えている。
ここでの「カード」とは、勝負事や交渉、駆け引きなどで使われる「持ち札」や「切り札」のことだと思ってほしい。「選手交代のカードを切った」などは、スポーツ実況でよく耳にする言い回しだ。
僕らが持っているスキルや特性は、選手交代のように、現状を好転させるための切り札として使うことができる武器である。
僕は漫画家として才能に深く関連するマンガ『左ききのエレン』を描いてきて、そして才能について25年以上悩み続けてたどり着いた、1つの結論がある。
それは、「カードには消費期限がある」ということだ。
「若いときのカード」を使い続けない
しかし、僕は何も「ガッツ」というカードを使うな、と伝えたいわけではない。むしろ、若いうちは持てるカードが少ないから、積極的に使っていくべきだ。
大切なのは、カードを更新していくこと。
若くして成功した人が、同じカードを使い続けていても、以降成功し続けられるとは限らない。なぜなら、「ガッツ」というカードには消費期限があるからだ。だからこそ、「ガッツ」と引き換えに別のスキルや経験を得たり、「ガッツ」がなくなったときに「貫禄」というカードを手に入れられるように、日々、自分のカードを見直し、磨いていく必要がある。
こうして、たえず「自分のベテラン」状態=自分のことをよく知っている状態を維持し続けることが、長く活躍し続ける秘訣だ。
(この記事は『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』に関する特別な書き下ろし原稿です)







