「自分にもっと才能があれば…」
誰しも一度はそう思ったことがあるだろう。活躍する同期、年下の有名人、同世代の天才…素直な称賛とは裏腹に「自分だって、本気出せばできるはず…」と思い悩んでいないだろうか。
「『才能がない』と諦める必要なんてない。」そう語るのは、“才能”をテーマにした漫画『左ききのエレン』で累計420万部超を突破した漫画家のかっぴー氏だ。現在はアニメ化・複数連載を抱える人気漫画家だが、実は誰よりも才能に苦悩し続け、25年以上『才能の正体』を考え続けてきた。今回はその“実践的な才能論”を初めてまとめた書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』の中から、「あなたが持つ才能の正体」に迫る。
著者・かっぴー氏
「自分が仕事ができる」と思い込んでいる人
あなたの周りにも、次のような人がいるのではないでしょうか。
・「自分が仕事ができる」と思い込んでいる人
こういう人が職場にいると、正直「厄介」だと感じることもあるでしょう。実際のパフォーマンスが一致していればよいのですが、そうではなかった場合は特に対処に困ることがあります。
しかし僕は、「仕事ができる」というのは、ある意味“水もの”だと考えています。今実際にその人がパフォーマンスを出していたとしても、実際にその人の能力が高いとは限らないわけです。
僕は長い間、人間の才能について考えてきました。今回はその中でも、「仕事ができる」の正体について、迫っていきましょう。
「仕事ができる」は、“状態”でしかない
ある友人の話をしましょう。彼は同期一番の出世頭で、みんなから一目置かれる存在でした。しかし、あるときを境に次第に精彩を欠いていってしまいました。
彼自身に変化があったわけではありません。ただ彼は、社内の組織改編や評価制度の変更を受け、自分のパフォーマンスを下げてしまったのです。
ほんのちょっと環境が変わるだけで、トップパフォーマーが急転直下活躍できなくなる、なんてことは日常茶飯事です。
単に「ハマっている」だけかもしれない
僕は、人がパフォーマンスを発揮するうえで「環境との適合度」は超重要だと考えています。
たとえば、漫画家をしている僕もパフォーマンスをグッと下げる可能性はあります。もし生成AIがさらに進化し、読者が「こんな話が読みたい」と一言つぶやくだけで、一瞬にして満足度の高い漫画を生成できるようになったとしたら─。漫画家という職業の価値はガラッと変わるでしょう。環境の変化によって、自分のカードすべてが、まったく使えなくなる可能性だってあるのです。
だからこそ、常に「自分が仕事ができる」のは、能力なのか、それとも単に「ハマっている」だけなのか、向き合って見つめ直すことが重要なのです。
一方、環境にがっちりハマったことで、自分の力がブーストされ、実力以上の評価を得られることもあります。どこで走るか、どういうフィールドで戦うか、どんなライバルと競うのか、どんなルールに則るのか。自分が身を置く「環境」を考えることは、自分の力を存分に発揮し、価値を最大化するために、極めて重要なのです。
(この記事は『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』に関する特別な書き下ろし原稿です)







