「仕事のキャパが10倍になった」「悩む時間が圧倒的に減った」
そんな感想が届いているのが、木下勝寿氏のベストセラーだ。なかでも「【ピッパの法則】が使える!」という感動の声とともに、ニトリ似鳥会長や食べチョク秋元代表から「ビジネスパーソンが一番読むべき一冊」と絶賛されているのが、『時間最短化、成果最大化の法則』である。ライターの樺山美夏氏に、本書から「人を見抜くポイント」について鋭く読み解いてもらおう。(構成/ダイヤモンド社・寺田庸二)

【一発でわかる】人を瞬時に見抜きたいとき、どの「一点」を見たらいいか?Photo: Adobe Stock

無意識のうちにまわりの価値観に染まっていく

私の知人に、30代で起業して成功したベンチャー企業の経営者がいる。
彼はファッションや車をこよなく愛しており、その情熱は会社の採用基準にも表れている。

なんと「自分が住んでいる家の家賃より高い服を買ったことがある人」という条件を設けているのだ。

「コムデギャルソンを普段着にしているような人がいいんですよね」と彼は笑って話してくれた。

冗談かと思いきや、10人ほどいる会社のスタッフの写真を見せてもらって驚いた。

全員が1着10万円以上はするデザイナーズブランドの服、しかも、海外のハイブランドではなく日本人デザイナーのトレンドをごく自然におしゃれに着こなしている人ばかりだったからだ。

一見すると風変わりな会社だが、このエピソードには人間の行動に関するある本質が隠されている。

それは「人は身を置く環境や付き合う人の価値観に、無意識のうちに強く染まっていく」という事実だ。

「同質化の力」

木下勝寿氏の著書『時間最短化、成果最大化の法則』を読み解くと、この「同質化」の力が成果を出す上でどれほど重要かがよくわかる。

理想の自分に近づくための具体的なアプローチを次のように示している。

「価値観で結ばれた友達の法則」に気づいてからは、「こうなりたい」と思ったら、「実際にそうなっている人」を見つけて友達になるようにした。
すると、自分がどんどん変わっていった。

(中略)

「自分の成長のために成功者に近づくなんていやらしくないか」と思う人がいるかもしれないが、そうではない。
うまくいっている人の人脈を悪用したり、施しを受けたりするために友達になるのではない。
その人の「価値観」に共感して友達になってもらうから、相手も喜んでくれるケースが多い。

(中略)

友達というより「日常から影響を受ける距離」に身を置けばいい。
もし相手の行動で不思議に思うことがあったら、すぐに「なぜそうしたのですか?」と聞いてみる。すると、理想とする人の「価値判断基準」がわかり、同じ基準の人と「話が合う」状態になる。そうすると、似たような知人や友達が増えてくる。
そうした人たちに囲まれていると、どんどん自分も感化されてくる。同じタイプの「思考アルゴリズム」を身につけると、自然と同じ成果を手にできるようになるのだ。
――『時間最短化、成果最大化の法則』より

先の経営者の会社に集まったスタッフたちも、最初から全員が「家賃より高い服を買う」価値観だったわけではないかもしれない。

しかし、ファッションに妥協しないトップや同僚たちから影響を受けるうちに、家賃より高い服が買える生活を目指して生産性を高めていく働き方と価値判断基準が身についていくのだろう。

自分の人生を変えたい、あるいは理想の姿に近づきたいと願うなら、一人で歯を食いしばるよりも、すでに「そうなっている人」の輪の中に飛び込むのが一番早い。

どんな価値観を持つ人たちと時間を共有するか。
それが、自分の未来の思考と成果を決定づけるのだ