短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが木下氏の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本書から一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の決定的な分かれ目とは?

「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の違い

 ある人が「1時間で終える仕事」を、ある人は8時間かかる。

 ある人が「5分で終える仕事」を、ある人は1週間かかる。

 1日で出せる成果も10倍ほどの差がある。

 前者の仕事が速い人を「業務を短時間で終えられる人」、後者の仕事が遅い人を「業務に長時間かかる人」と片づけてしまいがちだ。

 だが、本当にそうだろうか?

 実は、その仕事の初心者を除くと、ある業務にかかる時間の長さと、社会人としての経験値はほとんど関係ない。

 1日の成果が10の人と、成果が2の人の時間の使い方をまとめた(▼図表3)。

「仕事が速い人」と「仕事が遅い人」の決定的な分かれ目とは?

 まず、成果10のAを見ると、1日に10の実業務をし、10の成果を出している。

 次に成果が2のBはどうだろう。

 Bは一つひとつの実業務にかかる時間が長く、2の成果しか上げられないと思われているかもしれない。

 でも、それは間違いで、Cのように、一つひとつの実業務にかかる時間は、成果10の人とほとんど変わらない。

 大きく違うのは、「アイドルタイム」(実業務をしていない時間)だ。

 成果2のCは、成果10のAに比べ、調べたり、確認したり、考えたり、準備したりという実業務に取りかかるまでのアイドルタイムが異常に長い。

 では、なぜアイドルタイムが長くなるのか

 次回一緒に見ていこう。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)