短時間で成果を出している人がいる一方、頑張っているのに成果が出ない人もいる。この違いは何だろう? 経営の最前線で20年以上、成果上げられる人と上げられない人の差を研究してきた人物がいる。
東洋経済オンライン「市場が評価した経営者ランキング2019」第1位、フォーブス アジア「アジアの優良中小企業ベスト200」4度受賞の木下勝寿社長だ。「やる気に頼らず楽しく続けられる」と話題なのが木下氏の新刊『時間最短化、成果最大化の法則──1日1話インストールする“できる人”の思考アルゴリズム』。本書から一部を抜粋、「最短時間で最大の成果を出す方法」を初公開する。

仕事が速い人と遅い人のほんのわずかな圧倒的な違いとは?

なぜ、仕事が遅い人は
実業務への「着手」が遅いのか?

 仕事が遅い人と、仕事が速い人を比べてみよう。

 仕事が遅い人は、「後でじっくり考える」ことを前提に打合せをしている。

 たとえば、こんな感じだ。

1. 打合せで一方的に情報を聞く。わからないものは後で考える。
「後で考える」つもりなのでその場で確認や質問をしない
2. そのとき得た情報をもとに「どうするか」をじっくり考える
3. 「どうしていいかわからない」ので先輩や同僚に意見を聞く
4. 先輩や同僚は意見をくれるが確証がない。その人たちは会議に参加していないので正確な情報がないから
5. 確証がないまま企画を立てる
6. 確証がないので企画の精度も低い

 また、仕事が遅い人は、打合せ直後に実業務に着手しないので、いざやろうとしたときに「思い出す」のに時間がかかる。

 記憶も不鮮明なので仕事の精度が低くなる。

なぜ、仕事が速い人は
「着手」が速いのか?

 一方、仕事が速い人は前述の「ピッパの法則」のように、打合せが終わった直後に実務に着手する前提で打合せをしている。

1. 打合せ段階で、すべて明確になるまで詰める。
「認識の齟齬(そご)がないか」「これはこれで合っているか」など、わからないものはわかるまでその場で確認。打合せ終了時に不明点がない

2. 何をどうすればいいかわかっているので、打合せ直後に実業務に着手し完成。確認済情報が多いので精度も高い

 仕事が速い人は、打合せ直後に着手するのでアイドルタイムがなく、記憶が鮮明なので仕事の精度も高くなるのだ。

(本稿は『時間最短化、成果最大化の法則』の一部を抜粋・編集したものです)