うちの子はなぜ片付けをしないのか?
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が大好評発売中だ。「小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅しているのが特徴だ。本記事では、教育評論家の親野智可等氏にインタビューを実施。本書の内容をもとに、子育て中の親が疑問を抱きやすいテーマについて話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)
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片付けを「つい」したくなるような親の工夫
――「片付けなさい」と言っても、子どもがなかなか動かず、イライラしてしまう親御さんは多いと思います。子どもが「何から手をつければいいかわからない」という状態にならないために、親は片付けについて何から教えると良いのでしょうか?
親野智可等(以下、親野) 知っておいてほしいのは、「片付けが得意か」は生まれつきの資質がかなり大きいということです。
整理整頓や片付け、掃除についても、自分からきちんとできる子もいれば、そうではない子もいます。
しかも、同じ家庭で育っている兄弟でも全然違うんです。
もし親のしつけや育て方だけで決まるのであれば、兄弟全員がそれなりに片付けができるようになるか、あるいは全員苦手になるか、どちらかに偏るはずですよね。
でも実際はそうなりません。
ですから、「片付けが苦手なのは育て方やしつけが悪かったからだ」と考えないことが大切です。
そう考えて親が自分を責めていると、そのストレスでよけい子どもへの言葉がきつくなりますから。
――生まれつきの素質も大きいのですね。
親野 そうなんです。
そのうえで私がおすすめしたいのは、「家族みんなで片付けをする時間」をつくることです。
例えば、「◯◯家お片づけタイム」のような時間を設定するとよいでしょう。
その時間になったら、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、子どももみんなで片づけをする。
子どもに「やりなさい」と言うよりも、みんながやっている環境をつくるほうがずっと効果的です。
家族みんながやっていると、子どもも自然とやる気を出すようになります。
また、片付ける収納にも工夫が必要です。
私は以前、家庭訪問で訪れたお宅で、子どもが片付けやすい「収納の工夫」をみたことがあります。
そのお宅は和室だったのですが、押し入れの襖を外していて、中には収納用の箱がずらりと並んでいました。
箱には「カード」「ブロック」「人形」など、それぞれ何を入れる場所なのかがひと目でわかるようにラベルが貼られています。
「どうして襖を外したのですか?」と尋ねると、
お母さんが「襖を開け閉めする手間があると子どもが片付けないからです」とおっしゃったんです。
実際、片付けが苦手な子ほど、手数が増えるとやらなくなります。
そのため、できるだけワンタッチで片付けられるようにし、
「カード」「ブロック」などのラベルを貼って、どこにしまえばいいか迷わないようにすることが大切です。
あまり細かく分類する必要はありません。
子どもがひと目でわかる程度にざっくりとラベリングするだけでも、片付けのハードルは大きく下がります。
子ども専用の掃除道具を用意する
――片付けしやすくするというのは親ができる工夫ですね。
親野 さらに、お掃除タイムをつくるのであれば、子ども専用の道具を用意してあげるのもおすすめです。
最近は小型の掃除機やハンディクリーナーなど、子どもでも使いやすいものがたくさんあります。
実際に、自分専用の掃除機を持つことで、それがうれしくて掃除をするようになったという例もありますよ。
――『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』にも、「じぶんの へやを そうじしよう」という項目があります。この項目で出てくるくまちゃんも自分用の小さな掃除機をもっていますね。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用拡大画像表示
② ほこりや ごみを あつめよう。
③ ぬれた ぞうきんで まどを ふこう。
④ ごみばこが いっぱいに なったら ごみを すてよう。
『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
親野 そうそう。
このくまちゃんのように自分専用の掃除機を持たせると、「これは自分の掃除機だ」という気持ちが生まれて、自分のものだから使いたいという気持ちになるんですよね。
中には名前をつけてかわいがる子もいますよ。
単純なことですが、子どもは、自分のものになると急にやる気が出ることがあります。
こんな風に、片付けや掃除についても、叱ってやらせるのではなく、自然とやりたくなる環境を整えることが大切ですね。
(本記事は『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)









