サッカーワールドカップ(W杯)の組み合わせが発表された瞬間、ベーナム・モヘビさん(68)はどの試合を生で見なければならないかを確信した。イランがニュージーランドと初戦を迎えることになり、ついに生まれ故郷の代表チームがW杯で戦う姿を見る機会を得たのだ。モヘビさんはイランで育ち、父親に連れられてサッカー観戦に通うほどこの競技を愛していた。1979年の革命後に米国へ移住してからも、その情熱が薄れることはなかった。今では、戦争や現在のイラン政権に対する自身の懸念とは関係なく、イランの文化を家族と共有する手段としてサッカーを捉えている。「政治はすべて脇に置いてほしい」。モヘビさんはそう告げると15日に4人の息子と孫、女性のきょうだいとその娘を連れてSoFi(ソーファイ)スタジアムに出掛けた。「これは私たち全員にとって一生に一度の経験だ」