『カラスヤサトシの終活レボリューション』(c)カラスヤサトシ/鎌倉新書
葬儀や終活ビジネスの最前線、伝統から最新テクノロジーまでエンディング業界の今を伝える専門情報誌『月刊終活』(鎌倉新書)で連載されている『カラスヤサトシの終活レボリューション』(漫画/カラスヤサトシ)。今回は、第5話『バーチャル地獄にようこそ』についてのエピソードを紹介する。(ライター 有馬ゆえ)
コンビニより多い?変わりゆく日本のお寺
文化庁が毎年発表している「宗教年鑑」の2025年版によれば、日本には仏教系宗派が153あり、仏教系宗教法人数は7万6493法人。この数は国内の寺院の数とほぼ同じとされ、全国のコンビニエンスストアの数の約1.36倍だ。
こうして日本中に寺院が存在する一方で、その多くは経営難に悩まされている。背景にあるのは、現代の「檀家離れ」だ。
寺院の経済規模はさまざまあるが、そもそもほとんどの寺院は、江戸時代に成立した、すべての人に所属するお寺を持つことを義務づける「檀家制度」を基盤として生計を立てている。収入源となるのは、檀家の葬儀や法事、墓所運営、檀家からの護持会費などだ。しかし今、この檀家制度が形骸化しつつある。
過疎地では人口減少によって檀家制度そのものが存続できなくなり、それ以外の地域でも都市部に出ていった檀家が地方の墓を墓じまいして檀家を辞めるケースが増えている。同時に、核家族化、単身世帯の増加が進んだことで、先祖代々の墓を継承するという意識や慣習も希薄になっている。そのため、特定の宗派への帰属意識が弱まる“宗教離れ”も起きているのである。
経営状況が悪化した寺院のなかには、僧侶が会社員と兼職したり、イベントやインバウンド向けツアー、宿坊などの収益事業を行うことで経営を維持しようとするケースも少なくない。本堂の建て替えなど多額の費用が必要な場合は、檀家からのお布施だけでなく、銀行からの借り入れや、場合によってはクラウドファンディングを利用する寺院さえ出てきている。
再び寺院への帰属意識を高めようという動きも見られる。地域向けのイベントやサークル活動、子ども食堂などの施策により、寺院の存在を啓蒙し、市民との距離を縮めようとする例も見られるようになっているのだ。
寺院による新時代の仏教啓蒙
「VR地獄体験」をマンガでレポート!
漫画家のカラスヤサトシ氏は、2025年7月26日、横浜市戸塚区にある寺院「妙法寺」で開催された「地獄VR体験会」に潜入した。
カラスヤ氏は、当日の印象をこう語る。
「この日は、真夏だというのに妙法寺まで向かう車のエアコンが壊れるというトラブルが発生。地獄をVR体験をする前に車中が灼熱地獄になるという、まさかの展開でした(笑)」
「肝心のVR体験は、VRメガネを装着して“地獄”を体験するというもの。没入感があって面白く、もっと長くてもよかったぐらいでした。アイデアマンのご住職が、VR以外にもご自身で業者を探してさまざまな取り組みをしていると聞いて、お寺を残すために熱心に取り組んでいるんだなあと感心しましたね」
慣習にとらわれない斬新な取り組みで、実際に檀家を増やしつつあるという妙法寺。「地獄体験VR」の様子は、「カラスヤサトシの終活レボリューション」でチェック!
「宗教年鑑」令和7年版(文化庁編)
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/shukyo_nenkan/index.html
https://www.bunka.go.jp/tokei_hakusho_shuppan/hakusho_nenjihokokusho/shukyo_nenkan/pdf/r07nenkan_gaiyo.pdf「コンビニエンスストア統計調査月報」(一般社団法人日本フランチャイズチェーン協会発表)
https://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html
『カラスヤサトシの終活レボリューション』(c)カラスヤサトシ/鎌倉新書
『カラスヤサトシの終活レボリューション』(c)カラスヤサトシ/鎌倉新書







