「まだなんとかなります」と先延ばしにされ、期末になって「実は無理でした」と告白される――このパターンに心当たりがある上司は多いだろう。その背景には、月次フィードバックの目的のずれが関係している。

仕事ができる人は「まだなんとかなります」と言わせない。では、どう言う?Photo: Adobe Stock

「未達を隠す」最悪のパターン

多くの場合、部下は目標の未達を上司に伝えることをためらう。
「まだなんとかなります」と報告を遅らせ続け、
期末になって初めて「やっぱり無理でした」と白状する。
これは、チームにとって最も避けたいパターンだと言える。

この状況が起きる背景には、
未達を報告すること自体が、上司から責められる原因になるという認識がある。
そのため、部下は問題が小さいうちに伝えることをせず、
ぎりぎりまで一人で抱え込んでしまう。

「赤」を歓迎する文化が、早期対応を生む

多くの場合、部下は未達を隠そうとします。「まだなんとかなります」と報告を遅らせ、期末になって「やっぱり無理でした」と白状する。これが最悪のパターンです。
私たちのチームでは「赤がついた=計画変更が必要だというサイン」と捉え、むしろ「よくぞ正直に赤をつけてくれた」と賞賛します。
赤がつくということは、もともとの目標設定が高すぎたのか、やり方が間違っていたのか、あるいは突発的な業務で手が回らなかったのかなどの原因があります。必ずしも部下に責任があるのではありません。
その原因を早期に発見することで、「じゃあこのミッションは来期に回して、今はこっちに集中しよう」という建設的な撤退が可能になります。
月次のフィードバックは「進捗確認」ではなく「障害除去」
そこで大事になってくるのが、上司が月次のフィードバックで何をすべきかです。
毎月のフィードバック会議で上司がやるべきことは「予定通り進んでいるか?」と詰問することではありません。部下の業務進捗の信号の色を見て、部下が目標を達成するために邪魔になっている「障害」を取り除くことです。

進捗報告に「赤」がついた場合、それを「計画変更が必要だというサイン」として受け止め、
むしろ「よくぞ正直に赤をつけてくれた」と賞賛する――
このような文化をチームの中に築くことが、早期の対応につながっていく。

赤信号がつく原因は、もともとの目標設定が高すぎたことかもしれないし、
進め方そのものが適切でなかったのかもしれない。
あるいは、突発的な業務が重なって手が回らなくなったという可能性もある。
いずれの場合も、必ずしも部下個人の責任とは言えない。
原因を早い段階で発見できれば、「このミッションは来期に回し、今はこちらに集中しよう」といった、
建設的な方向転換を選択することができる。

月次フィードバックの目的は「障害除去」だ

こうした建設的な対応を可能にするために重要なのが、
上司が月次のフィードバックで何を目的とするか、という点だ。
毎月のフィードバック会議で上司が行うべきことは、
「予定通り進んでいるか」と部下を詰問することではない。

本来やるべきことは、部下の業務進捗を示す信号の色を確認し、
目標達成の邪魔になっている「障害」を見つけて取り除くことだ。
進捗確認を「問い詰める場」にしてしまうと、部下は赤信号を出すことを避けるようになる。
一方で、フィードバックを「障害を取り除くための場」として位置づければ、
部下は早い段階で正直な状況を共有しやすくなり、結果としてチーム全体の対応も早くなっていく。

次の月次フィードバックでは、「進んでいるか」を聞く前に「何が障害になっているか」を尋ねることだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)