食器が並んだレストランテーブル写真はイメージです Photo:PIXTA

口コミサイトで「ほぼ満点に近い店」に行列ができる時代、富裕層は、そこを選びません。彼らが大切な方をお連れするのは、決まって評価3.8前後の店なのです。

天邪鬼でも、ひねくれているのでもありません。なぜ、何でも選べる方々が、あえて「そこそこの店」を選ぶのか――背景には、私たちが普段使っているものさしとは全く違う、価値の測り方があります。(日本バトラー&コンシェルジュ代表取締役社長 新井直之)

「ほぼ満点に近い店」とは
みんなにとっての「最大公約数」を満たす店

 そもそも口コミサイトの点数は、何を測っているのでしょうか。

 口コミサイトのアルゴリズムは、レビュアーの影響度や口コミ数など、複数要素を組み合わせて点数を出しています。

 単純な平均点ではありません。けれども、評価の仕組みを抽象化して眺めると、一つ共通する構造が見えてきます。「多くの人が満足する店」ほど、点数が上に押し上げられる、ということです。

 価格に対する満足度、清潔感、提供スピード、接客の標準化、写真映え、予約困難性――複数の要素の総合得点で、評価は上昇します。言い換えれば、ほぼ満点に近い店とは、多くの人にとっての「最大公約数」を満たす店、ということです。

富裕層は「最大公約数」を
求めていない

 ところが、富裕層はこの「最大公約数」というものさしを最重要視していません。経済的な自由があるので、「価格に見合うか」「みんなが行きたがる店か」は、彼らの関心の中心ではないのです。

 では、彼らが飲食店に求めることとは何なのでしょうか。