議事録やルーティン業務ばかりで、本当にやりたい仕事にたどり着けない。そう感じている人は多いだろう。しかし、その地味な仕事の積み重ねこそが、次のステージへの土台になっているという。

仕事ができる人は「ただの議事録」を書かない。ではどうする?

華やかな仕事は、誰にでもすぐ任されるわけではない

若手の頃、誰しも「もっと大きな仕事をしたい」「戦略的な仕事に関わりたい」という思いを抱くことがある。
しかし、その段階で大きな仕事を任せてもらえる実力や資格は、
まだ自分の中に備わっていないことも多い。

著者自身も、コンサルタントとして働き始めた当時は、
華やかな戦略を描く資格や実力が「1ミリもなかった」と振り返っている。
そこでまず任された仕事は、数時間に及ぶ会議の内容を、
誰が読んでもわかる言葉で要約し、決定事項とネクストアクションを論理的に整理するという、
極めて地味な「議事録」の作成だった。

地味な仕事が、最も重要な基礎体力になる

当時の私には、華やかな戦略を描く資格や実力が、1ミリもありませんでした。
まずは数時間の会議の内容を、誰が読んでもわかる言葉で要約し、決定事項とネクストアクションを論理的に整理する。
この「議事録」という極めて地味な仕事こそが、コンサルタントとして最も重要な「基礎体力」をつけるために欠かせないことだったのです。
コンサル時代の私の上司は、議事録すら完璧につくれない人間に、企業の未来を左右するM&Aの資料がつくれるはずがないことを知っていたのです。
地味な「やるべきこと」を完璧にこなし、プロとしての土台をつくった人間だけが、その上のステージである「やりたいこと」に挑戦できる。
私はこの下積み時代に、仕事の「順番」を徹底的に叩き込まれました。

著者の上司は、議事録すら完璧に作れない人間に、
企業の未来を左右するM&Aの資料が作れるはずがないことを、よく理解していたという。
議事録の作成という地味な業務には、
情報を正確に整理する力、論理的に物事を組み立てる力、
誰にでも伝わる文章を書く力など、その後の大きな仕事に必要となる基礎的な能力が、すべて詰まっている。

こうした地味な「やるべきこと」を完璧にこなし、
プロフェッショナルとしての土台を築いた人間だけが、
その先にある「やりたいこと」のステージに進むことができる。
著者は、この下積み時代を通じて、仕事における「順番」というものを、徹底的に叩き込まれたと語っている。

「やりたいこと」の前に「やるべきこと」がある

「もっとやりがいのある仕事を任せてほしい」という気持ちは、決して悪いものではない。
しかし、その前提として、まず目の前の地味な業務を確実にこなせる状態にあるかどうかが問われる。
議事録や日々のルーティン業務といった、目立たない仕事の質が、
実はその先にある大きな仕事を任せられるかどうかの判断材料になっていることが多い。

部下に対して大きな仕事を任せるかどうか迷っている上司にとっても、
この視点は重要な判断基準になる。
逆に、部下自身にとっても、今やっている地味な業務を「軽視せず丁寧にこなすこと」こそが、
次のステージに進むための、最も確実な近道になっているのかもしれない。

今日から試すなら、目の前の地味な業務を「次のステージのための基礎体力づくり」だと捉え直してみることだけでいい。

(本記事は、書籍『コンサル時代に教わった 仕事ができる上司の当たり前』をもとに作成しました)