「密室での保育は、物理的にも仕組み的にも起こりえない」というルールを作ることが、組織の責任となっています。子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を確認する「日本版DBS」制度が、今年12月に始まります。性善説でも性悪説でもなく、仕組みで安全や信用を守るのが大切です。

必要なのは「適切な距離感」
安心して協力できる関係

 保護者と保育士の関係は、遠すぎても子どもの小さな変化に気づけません。コミュニケーションは絶対に必要です。しかし、近すぎてもいけない。では、「適切な距離感」とは何でしょうか。

 保護者と保育士は、子育てというプロジェクトを進める「パートナー」です。「友達関係」ではありません。共通のゴールは「子どもの健やかな成長」です。その目的は完全に一致しています。しかし、「役割」は違います。親には親の、プロにはプロの役割があります。越えてはならない境界線が必要です。

 保育に限らず介護や医療など、人と関わる仕事の現場で起きる多くのトラブルは、悪気からではなく「善意」から始まっていると私は思います。「助けたい」「力になりたい」「もっと良くしてあげたい」という気持ち自体は、素晴らしい。だからこそ、善意が暴走し、誰かを傷つける結果にならないための仕組みが必要です。

 保育士と保護者は、子どものために、プロと保護者として長く強い信頼関係を築いていきたいものです。