前回に引き続き、株式会社ビジネスバンクにご登場いただきます。同社が掲げる企業理念(柱)を実現すべく、2つのコトバを掲げて日本にないサービスを立ち上げ、市場を創造するまで、どのような苦難が待ち受けていたのか? そして、どのように乗り切ったのか? その真実に迫りたいと思います。

多くの人の応援に
支えられた創業期

 「1万円すら持てない日が続いていましたよ」と、浜口社長は笑いながら創業期の苦難を振り返ってくれました。

 「とにかく創業期が大変でした、その理由の1つは、レンタルオフィス事業というのは、事業資金(特に初期投資)が必要になるということ。2つ目は“お客さんがどこにいるかわからない”ということ。最後に致命的なことが、“新しい事業だった”ということです。

 今の知識や経験があったら、始めていないと思います。無知だったからできたことだと思います。支払いを滞らせるわけにはいかないので、前職の経験を生かし、レンタルオフィス以外のサービスを提供して、売上をつくってきました」

 多くの人に応援され、最も大変だった創業期を乗り越えることができたのだといいます。

 「当時を振り返ってみると、半分くらいのお客様は、“わざとお客様になってくれていた”と思います。チャンスを与えてくれたのだと思います。本当に感謝しています」

 一方で、企業を認知してもらうための活動も忘れてはいませんでした。

 「たしかに、私たちが立ち上げたレンタルオフィス事業そのものは、日本には存在しませんでした。かといって東京で立ち上げてもニュースバリューは低いと考えました。長野で立ち上げ、マスコミ各社へのニュースリリースなどを行った結果、予想通り地元メディアに取り上げられ、それがきっかけで全国紙に掲載していただくことができました」

 今でこそ、都内を中心にレンタルオフィス事業を展開していますが、ビジネスバンクの創業地は長野県でした。「長野という地の利を生かす」という、自分のポジションを冷静に見極め、自発的に動く積極的な姿勢を怠らなかったのです。この事実は、起業家の方に限らず、全てのビジネスパーソンにとって、忘れてはならないことではないでしょうか?