スレートのトラックスレートのトラック

 ある米自動車スタートアップが、米国人は自動車価格の高騰にうんざりしており、手動式ウインドーでラジオもない2人乗り全電動ピックアップトラックの購入を検討するはずだ、との賭けに出ている。

 アマゾン・ドット・コムの創業者ジェフ・ベゾス氏が出資するミシガン州を拠点とする自動車メーカー、スレート・オートは、年内に最初のモデルの生産を開始すべく急ピッチで準備を進めている。同社の24日の発表によると、このモデルは極めて簡素なデザインのコンパクトトラックで、価格は2万4950ドル(約404万円)からとなる。このようなトラックは、米国の道路から10年以上姿を消していた。

 現在、自動車購入者が2万5000ドル以下で選べる新車モデルは8種類しかなく、メーカー各社はこうした車両で十分な利益を確保するのは難しい、あるいは不可能だと警告している。

 スレートはその流れに逆らうことができると考えている。ピーター・ファリシー最高経営責任者(CEO)は「米国の自動車メーカーは手頃な価格の車を作れる。しかもただ手頃な価格というだけでなく、消費者に愛される車だ」と述べた。

 ファリシー氏は、ベースモデルのトラックの粗利益率はプラスになるとの認識を示した上で、スレートがサプライヤーからの信頼を勝ち取れば、顧客向けのコストはさらに引き下げられるとの見方を示した。

 同社のコスト削減策は斬新だ。外装塗装の代わりにカスタマイズ可能な500ドルのビニールラッピングを採用するほか、ナビゲーションシステムの代わりにスマートフォン用の車載ホルダーを提供し、ピックアップトラックを5人乗りのスポーツタイプ多目的車(SUV)に変身できるDIYスタイルの追加キットを販売する。

 だが、自動車購入者はスレートのトラックのような簡素化された車を、ましてや電気自動車(EV)を選ぶだろうか。