ウォール街の強気派、株価急騰を懸念しない理由Photo:Michael M. Santiago/gettyimages

 米企業の記録的な大幅増益が、企業の健全性を示す主要な指標を過去最高水準に押し上げ、株価急騰の持続性について一部の投資家に安心感を与えている。

 ファクトセットによると、S&P500種指数の構成企業の純利益率は第1四半期に14.8%に上昇した。これは、同社が2009年にこの指標の追跡を開始して以降で最も高い水準となる。従来は13.2%で、わずか1四半期前に記録されたものだった。

 好調なのはテクノロジー企業だけではない。第1四半期には、金融サービス業や製造業など複数の業界で、純利益率が過去5年間の平均を上回った。こうした幅広い業界の好調ぶりは、インフレ率の急上昇や景気減速を引き起こしかねない地政学的な紛争に対して、米企業の耐性が高まっていることを示唆している。

 ラッファー・テングラー・インベストメンツのナンシー・テングラー最高経営責任者(CEO)は、「これは1990年代と同様、生産性主導の環境であり、生産性はあらゆる業界に広がっている」と指摘。「これは人工知能(AI)だけでなく、あらゆる新技術のおかげだ」と述べた。

 利益率の拡大は広範囲に及んでいるものの、最近の成長の大部分は依然としてテクノロジー業界がけん引しており、エヌビディアやマイクロン・テクノロジーといった企業が原動力となっている。ファクトセットのシニア・アナリスト、ジョン・バターズ氏によると、テクノロジー業界を除くと、S&P500種指数の構成企業の第1四半期の純利益率は12.4%だった。

 AI分野でも状況は二分されている。半導体メーカーやその他のインフラプロバイダーは巨額の利益を上げ、利益率を拡大している一方、電力網の整備を進める一部のハイパースケーラー(大手クラウド事業者)は、数千億ドル規模の設備投資によって利益率が圧迫されている。

 企業収益はこれまでの株高の最大の原動力の一つであり、直近の決算シーズンは予想を大幅に上回る結果となった。S&P500種指数の構成企業の第1四半期の増益率は28.8%に急上昇し、21年第4四半期以来の高水準となった。