俳優の高嶋政伸氏 (C)新潮社
息子からの何気ない問いかけに、俳優の高嶋政伸氏はなぜかうれしくなったという。効率や成果ばかりが求められる時代だが、人間を豊かにするのは必ずしも役に立つことだけではない。俳優人生を通じてたどり着いた「しょうもなさ」の価値を語る。※本稿は、俳優の高嶋政伸『おつむの良い子は長居しない』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
しょうもないことがあるから
世界は面白いんだよ
先日、息子に突然言われました。
「あなたは、なんでそんなにしょうもないの?」
これが僕にとっては、めちゃくちゃ面白く、かつ、嬉しかったんです(以前は「君」と呼ばれていましたが、最近は「あなた」と呼ばれています)。
僕はすぐにこう答えました。
お父さんは、しょうもないことが大好きなんだよ。この世界からしょうもないことがなくなったらつまんない。しょうもないことがあるから面白いんだよ。お父さんの大好きな詩があってね、「ごあいさつ」っていうんだ。
どうもどうも やあどうも
いつぞや いろいろ このたびはまた
まあまあひとつ まあひとつ
そんなわけで なにぶんよろしく
なにのほうは いずれなにして
そのせつゆっくり いやどうも
谷川俊太郎
いつぞや いろいろ このたびはまた
まあまあひとつ まあひとつ
そんなわけで なにぶんよろしく
なにのほうは いずれなにして
そのせつゆっくり いやどうも
谷川俊太郎
どう?この詩。これ言わなくても、人間は生きていけるだろ?
お早う、ごきげんよう、いい天気ですね、そうですね、儲かりまっか?ぼちぼちでんな。
これもそう、言わなくたって人間は生きていける。でも、これがあるから世界は回ってるんだよ!







