イニオの「イエンバッハ」エンジンは他社製品と比較して技術が最も優れていると評価されているイニオの「イエンバッハ」エンジンは他社製品と比較して技術が最も優れていると評価されている Photo:Justin Hamel FOR WSJ

 数年前なら、何百台もの小型エンジンを使ってデータセンターに何ギガワット(GW)もの電力を供給するという発想は、荒唐無稽に思えただろう。しかし、今はそうではない。

 送電網への接続に必要な長い待ち時間を回避しようと、データセンターをオフグリッド電源に接続しようとするハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)が増えている。その多くは、大型タービンよりも迅速に手に入る小型の天然ガスタービンに目を向けている。しかし、ブルームバーグNEFのアナリスト、ムスフィカ・ミシ氏によると、それでも品薄状態が続いており、レシプロエンジンへの関心が高まっている。レシプロエンジンとは、自動車やクルーズ船を動かすタイプのエンジンだ。

 ブルームバーグNEFによると、敷地内での天然ガス使用を計画し、スケジュールを公表している米国のデータセンタープロジェクトのうち、約55%がガスタービン、29%がレシプロエンジンの使用を計画している。

 タービンと比較すると、レシプロエンジンはおおむね小型で効率性が低いほか、排ガスの量が多く、より頻繁なメンテナンスが必要だ。その一方で、すぐに手に入りやすいという利点がある。

 ブルームバーグNEFによると、エンジンのリードタイムは1~2年程度だが、航空機派生型タービンは長ければ3年かかる場合がある。大型の電力事業用タービンは待ち時間が7~8年に及ぶこともある。