サボる男性社員と呆れる女性社員写真はイメージです Photo:PIXTA

何度指導しても最低限の仕事しかしない「静かな退職者」。その尻拭いで優秀な社員ばかりが疲弊する中、解雇規制が厳しい日本企業は泣き寝入りするしかないと思われていました。しかし近年、企業側は問題社員をクビにするのではなく、合法的に無害化する「静かな解雇」という新たな組織防衛策を使い始めています。企業が超えてはならない“一線”と、必ず踏むべき“ある手順”とは?優秀な社員を守る「合法的な干し方」の全貌に迫ります。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

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辞めさせられないなら
「遠心力」をかける

 何度フィードバックしても変わらない。最低限の仕事しかしない。成長や改善に意欲が見えない。にもかかわらず、その穴埋めは上司や同僚が背負わされる。本人はノーダメージで、気づけば周囲の人のほうが疲弊している――「静かな退職」という言葉が頻繁に聞かれるようになりました。

 こうした現場の惨状を前にして、企業側もただ手をこまねいてばかりいるわけではありません。彼らを本気で育てようと過剰なリソースを割くのをやめ、見限る動きが出始めています。静かな退職に対する、言わば、「静かな解雇」です。

 一見すると冷酷にも思えるこの対応はただの報復なのか、あるいは、現代のマネジメントがたどり着いた一つの正解なのでしょうか。

 今回は、どこまでなら「合理的なマネジメント」と言え、逆に、どこからが不当な排除やハラスメントになってしまうのか。企業はどんな手法で問題社員の影響を最小化するのか。その際に企業側が必ずやるべきことは何か。「静かな解雇」の実態を丁寧に見ていきましょう。