スマホで最新ニュースを追う毎日。しかしその便利さの裏には、投資家の視野を狭める「AIの罠」が潜んでいるかもしれません。知らず知らずのうちに情報が偏り、新たな成長産業の芽を見落としていませんか? 自分の興味の外側にある「予期せぬ気づき」こそが投資の強力な武器になります。情報の壁から抜け出し、変化の激しい市場を生き抜く賢い情報収集術に迫ります。

なぜ株式投資のプロは、あえて「テレビ」を見るのか?Photo: Adobe Stock

AIが作り出す「情報の偏り」という罠

投資において「質の高い情報収集」は生命線ですが、現代の私たちは、気をつけないと知らず知らずのうちに情報が偏ってしまうリスクに直面しています。

スマートフォンの普及により、いつでもどこでもニュースを読めるようになりましたが、そこには情報収集における思わぬ落とし穴が潜んでいます。インターネットを活用した情報収集は非常に手軽で便利ですが、その仕組み自体が投資家の視野を狭めてしまうことがあります。

ネットだと、グーグルのスマートフォン向け情報提供サービス「ディスカバー」などは、ユーザーの好みをAIが学んで、検索ワードを入力しなくても興味・関心や検索履歴に合わせて自動的に情報をリコメンドするので、情報に偏りが出てきます
――『最後に勝つ投資術 【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』より

私たちが普段使っているニュースアプリや検索エンジンは、AIによって高度にパーソナライズされています。自分が関心のある銘柄や、好んで読む特定の業界ニュースばかりが優先的に表示されるようになると、心地よい一方で「フィルターバブル」と呼ばれる情報の壁の中に閉じ込められてしまいます。

投資においては、これでは社会全体で起きている大きな変化や、自分がまだ知らない成長産業の芽を見落としてしまう危険性があるのです。

あえて「受け身」のメディアで新たな視点を得る

では、自分の興味の外側にある有益な情報を手に入れるにはどうすればよいのでしょうか。そこで再評価したいのが、テレビなどのマスメディアです。

その点、テレビの経済情報番組は、自分の興味と違った切り口で構成されることも多いので、新たな気づきを得やすいです。
――『最後に勝つ投資術 【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略」』より

テレビの経済番組は、制作者側が「今、社会に伝えるべき」と考えるテーマを幅広く取り上げます。そのため、自分からは絶対に検索しないような業界の最新動向や、まったく異なる視点からの経済解説に偶然触れることができます。

この「予期せぬ情報との出会い」が、投資における新しいアイデアや、時代の転換点に気づくための強力な武器となります。

投資のヒントは、自分の知っている狭い世界の中だけで生まれるものではありません。AIが選んだネット情報で特定の分野を深掘りしつつ、テレビの経済番組などを通じて「自分の興味の外側」に触れる機会を意識的に作る。この両輪をうまく回すことが、変化の激しい市場を生き抜くための、賢い情報収集のノウハウと言えるでしょう。