決算書には載らない「未来のヒント」を先読みする! プロが今、熱視線を送るのが財務情報以外のデータ=「オルタナティブデータ」です。高価な専門データがなくても、私たちの「身近な肌感覚」こそが“最強の武器”。データセンター増設から電線需要を予測するような、街の景色や日常の気づきを「投資の初期仮説」に変え、未来の成長テーマをいち早く見つけ出す賢いノウハウを解説します!

生成AIブームの裏で儲ける投資のプロの先読み術Photo: Adobe Stock

プロも注目する「オルタナティブデータ」とは?
身近な肌感覚から未来の成長テーマを見つける方法

株式投資の分析といえば、企業の決算書などの財務情報を読み込むのが王道です。しかし最近では、財務情報「以外」のデータを投資判断に活用しようとする動きが世界的に活発になっています。

こうした伝統的ではない新しいデータを「オルタナティブデータ」と呼びます。

プロが活用する「オルタナティブデータ」の正体

具体的には、クレジットカードの利用情報や、スマートフォンのGPS(全地球測位システム)の情報をまとめた人流データなどがこれに該当します。現在では、これら専門的なデータを投資家に販売する会社も登場しており、実際に投資の有効な情報として活用されています。

これを聞くと「個人投資家には手の届かない高度な分析手法だ」と感じるかもしれません。しかし、決してそんなことはありません。私たちが日頃の生活のなかで得る「身近な肌感覚」が、プロのデータに匹敵する、初期的な投資仮説を設定するための優れた情報源になるのです。

日常の気づきから社会の「大きな変化」を捉える

普段の生活に少し意識を向けるだけで、社会全体の構造変化を感じ取るチャンスは無数にあります。例えば、店舗の様子から「高価格品と低価格品の両極端に消費が流れているな」と感じれば、それは「消費の二極化」というトレンドをいち早く掴んでいることになります。

ほかにも、身近なところでの「高齢化社会の進展」や、働き方改革による「余暇サービスの広がり」、あるいは生成AI(人工知能)の普及に伴う「データセンター需要の拡大とその波及効果」など、街の景色やニュースから社会のうねりを実感する機会は多いはずです。

肌感覚を「投資の仮説」に変えるノウハウ

こうした社会全体の大きな変化に気づくことができれば、そこから「関連する業界や投資テーマ」を探し、その重要度を探る強力なきっかけ(初期仮説)をつくることができます。

「データセンターがこれだけ増えるなら、電線や冷却システムの需要が次に高まるのではないか」「余暇が増えるなら、このエンタメ産業が伸びるはずだ」といった仮説を立て、そこから実際の銘柄選定へと深掘りしていくのです。

プロと同じ高価なデータを追う必要はありません。自分だけの「生活者としての視点」を投資の武器に変えること。この肌感覚から出発するアプローチこそが、未来の成長株をいち早く見つけ出すための賢い投資ノウハウとなるはずです。

※本稿は『最後に勝つ投資術【実践バイブル】 ゴールドマン・サックスの元トップトレーダーが明かす「株式投資のサバイバル戦略』(ダイヤモンド社)をベースに編集したものです。