部下から信頼される上司と、「この人とは一緒に働きたくない」と思われる上司。その違いは、特別なマネジメント手法ではなく、本人も気づかない日々のふるまいにあることが少なくない。では、部下が上司に見切りをつけるきっかけとは何なのだろうか。話題の書『リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、リーダーが陥りやすい落とし穴について解説する。
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「権限がある=偉い」という勘違いをしている上司
会議中、部下の発言をさえぎって自分の意見を押し通す。
自分のミスは謝らない。部下には厳しいのに、自分には甘い。
――こうした「偉そうな上司」に心当たりはありませんか?
なぜこうなってしまうのか。
根本にあるのは、「権限がある=偉い」という勘違いです。
「部下は従って当たり前」「自分の考えが正しい」「反対意見は生意気だ」
――そんな意識が少しずつ積み重なることで、態度にも表れてしまいます。
確かに、役職が上がれば決定権は増えます。
予算を動かせる、人事に関わる、方針を決められる。
それは事実です。
でも、それはあくまで「役割」が変わっただけであって、人間としての価値が上がったわけではありません。
心理学が示す「権力の落とし穴」
心理学に「権力の腐敗効果」があります。
人は権力を持つと、他者への共感能力が低下し、自分中心の思考になりやすいというものです。
たとえば、部下の話を最後まで聞かなくなる。
自分の意見を途中で挟む。謝らなくなる。「ありがとう」が減る。
本人には自覚がなくても、周囲は少しずつ変化を感じています。
また、「権威バイアス」といって、肩書きや立場のある人の言動を過大評価する心理も働きます。
周囲が従ってくれる、意見が通りやすい
――そうした経験が積み重なると、「自分は特別な存在だ」という感覚が育っていく。
本人は気づかないまま、少しずつ「偉そうな上司」になっていくのです。
昇進は「役割の変化」にすぎない
リーダーになるということは、人間として上に立つことではありません。
「チームがうまく機能するための役割を担う」ということです。
プレイヤーからマネージャーへ、役割が変わっただけで、人としては対等です。
部下も、取引先も、後輩も――立場は違っても、同じ一人の人間です。
その視点を忘れたとき、人は「偉そうな上司」になっていきます。
権限を持ったからこそ、より丁寧に、より謙虚に。
そう意識できるリーダーのもとでこそ、部下は安心して力を発揮できます。
(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)








