部下からの信頼は、大きな失敗だけで失われるものではない。何気ない一言や、日々のふるまいの積み重ねが、「この上司は信用できる」「言うこととやることが違う」という評価につながっていく。では、部下の信頼を少しずつ失ってしまう上司には、どのような共通点があるのだろうか。話題の書『リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、リーダーが陥りやすいNG行動について解説する。

「部下に信頼されない上司」のNG行動・ワースト1Photo: Adobe Stock

「急ぎで」と言いながら、のんびりしていないか

「この件、できるだけ早くお願いね」と言って、5分後には同僚と世間話をしながらコーヒーを飲んでいる上司――部下からすると「急ぎって言ったのに、自分はのんびりしてるじゃん」と、モヤモヤが溜まります。

急ぎの基準が曖昧なまま、しかも上司自身がその温度感を共有していない。
こうした状況が続くと、部下は「急かされ損」のような気持ちになっていくんです。

スピードと正確さの両立を一方的に押し付けない

ある職場では、上司が何かにつけて「すぐに」と言う人でした。
悪気はないのですが、部下が急ぐあまりダブルチェックの時間が取れず、単純ミスが多発。
「スピード重視で」→「間違えるな」→「ちゃんと確認したのか?」という、矛盾した要求が当たり前になってしまいました。

「さすがに断れない」「人に頼みにくい」という雰囲気の中で、部下は言われた仕事をすべて抱え込むしかなくなります。
ストレスチェックの調査項目に「自分のペースで仕事ができる」という質問があるほど、裁量感は働きやすさに直結しています。

「急ぎで」と言う前に、一度立ち止まる

「至急で」と口にする前に、「この作業を今日中に終わらせる理由は何か」「他の仕事を後回しにしてもらうべきか」と自問してみてください。
急ぎの指示を出すときは、「いつまでにできていればOKか」「途中で報告は必要か」を一言添えるだけで、部下は自分の段取りを立てやすくなります。

そして何より、急かしておいて自分はのんびりしているように見えないよう、行動でも誠意を示すことが大切です。

部下は、上司の言葉だけでなく、行動も見ています。
「急ぎで」と言うなら、自分も同じ温度感で動く。
その姿を見て初めて、部下は「本当に急ぐべき仕事なんだ」と納得できます。

言葉と行動に一貫性があるリーダーには、部下も自然と応えようとするのです。

(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)