「嫌なのに断れない」「友達に合わせてしまう」――そんな子どもの姿に、不安を感じたことはないだろうか。相手を思いやることは大切だが、自分の気持ちを押し殺してばかりでは、健全な人間関係を築くことは難しい。では、子どもにはどのように「上手な断り方」を教えればよいのだろうか。本記事では、教育評論家の親野智可等氏に、子どもが自分も相手も大切にできる「断る力」の育て方について話を聞いた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局・佐藤里咲)

「シール交換でモメない子ども」の親が最初に教えていること・ベスト1Photo: Adobe Stock

親子で練習することが肝心

――断るのが苦手で、嫌なことでも「いいよ」と言ってしまう子もいますよね。子どもにはどのように“断る力”を教えていくと良いのでしょうか?

親野智可等(以下、親野) まず「断る」のは、大人でも難しいことなんですよ。
ですから、子どもが他の意見に流されてしまったり、「嫌だ」と言えなかったりするのも、ある意味では当たり前のことです。
ただ、成長していくなかで「うまく断る力」はとても大事になってくることは間違いないでしょう。

――最近だと「シール交換」が流行っていますよね。お友達との間で、「交換したくないシール」を断れないお子さんも多いと聞きます。

親野 そうですね。「シール交換」でのトラブルは最近よく聞きます。
だからこそ親子で「シール交換を断りたいとき、なんと言うか」ということを親子で準備しておくといいですよ。

まずおすすめなのは、「これは交換してもいい」「これは交換したくない」ということを親子で話しておくことです。そして、そのあとロールプレイングをしてみるんです。「交換してって言われたらどう言う?」「じゃあママが友達役ね」のような流れでできるでしょう。

断るときの理由として必要なら嘘をついてもいいんですよ。

たとえば「ママからダメって言われている」「お誕生日におばあちゃんからもらった大切なシールだからダメ」など。

子どもたちは日頃「嘘をついてはいけない」と親御さんから言われているので、こういうときに嘘をつくことに抵抗を感じる子が多いと思います。

そこで、「これは友だちをだまして傷つける『悪い嘘』ではなく、友だちを傷つけずに断りながら自分も守るための『優しい嘘』だよ」と教えてあげてください。

上手に断る力をみにつけよう

――たしかにそのようなスキルも大人になるうえでは必要ですね。

親野 それから、「断ること=悪いこと」と感じてしまう子もいます。

まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』にも、「ことわるときは こう いおう」という項目があります。このページを親子でいっしょにみながら、自分のためにも相手のためにも、うまく断ることは大事なんだよ、ということを教えてあげられるといいですよ。

「シール交換でモメない子ども」の親が最初に教えていること・ベスト1『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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・『ごめんね。むずかしいかもしれない。』
・『だいじに してる おもちゃだから かせないんだ。』
・『ともだちに おかねは かせないよ。』
・『やくそくが あるから また こんど あそぼう。』

『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用

親野 嫌なのにずっと我慢して付き合うことが、本当に相手のためになるとは限りませんよね。
だから、断ることが悪いのではなくて、上手に伝えることが大事なんだよと教えてあげると、子どもは子どもなりに工夫します。

そして、その工夫は相手のためにもなることも実感するでしょう。
「上手に断る力」も大切なコミュニケーションの一つだと思います。

(本記事は『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』の発売を記念したオリジナル記事です)