定年退職後から本格的に株式投資を始めて、1億円を築いた92歳の現役投資家・リョウジさん。株式投資に行き着いた背景には、13歳の時に味わった「強烈な敗北感」がありました。外交的な兄との対比で、「自分には人に頭を下げて売る仕事は向かない」と悟ったリョウジさんが、必死に模索した生き方とは? ストレスなく生涯稼ぎ続けるための、本質的な自己分析の極意に迫ります。
※本稿は『「株ノート」で60歳から1億円 92歳現役投資家リョウジさんの超★シンプル投資術』(ダイヤモンド社)をもとに編集した記事です。

株で資産1億円を築いた92歳現役投資家が悟った​「自分に合った稼ぎ方」・ベスト1Photo: Adobe Stock

資産1億円を築いた92歳現役投資家が悟った
「自分に合った稼ぎ方」の重要性

世の中には数多くの「稼ぐノウハウ」があふれていますが、他人の成功法則が自分に当てはまるとは限りません。定年退職後に本格的に株式投資を始め、90代の今も年間1200万円の利益を出しているリョウジさん。

退職金の一部である元手350万円から1億円超の資産を築いた彼の原点には、13歳のときの「強烈な敗北感」と、そこから得た深い自己分析がありました。

兄との対比で痛感した「自分の不向き」

敗戦直後の貧しい生活の中、家計を助けようと手製の紙袋を売りに出たものの、羞恥心から「買ってください」の一言が言えなかったリョウジ少年。一方で、兄は全く違いました。

結局、私は1つも売ることができませんでした。一方で兄は、私とは正反対でした。「自分のお小遣いは要らないから、兄貴が売ってきてくれ」と頼むと、兄は臆することなく道玄坂の店を次々と回っては声をかけ、いつもすべての袋を売り切って帰ってきたのです。この13歳のときの強烈な敗北感。そこで私は、自分の生き方について悟りました。
――『「株ノート」で60歳から1億円 92歳現役投資家リョウジさんの超★シンプル投資術』より

同じ環境に育った兄弟でも、得意・不得意は明確に分かれます。ここで重要なのは、リョウジさんが「自分も兄のように外交的にならなければ」と無理に性格をねじ曲げようとしなかったことです。

頭を下げずに済む「稼ぎ方」への執念

自分の弱さを直視したリョウジさんは、ある重大な決断を下します。

「私には、接客や商売といった“稼ぎ方”は向いていない」そして、強く決意したのです。「将来、必ず自分の性格に合った、頭を下げなくてもいい稼ぎ方を見つけなければならない」
――『「株ノート」で60歳から1億円 92歳現役投資家リョウジさんの超★シンプル投資術』より

資産形成において「自分を知る」ことは最大の武器になります。SNSで話題の投資手法や流行りの副業があったとしても、自分の性格やライフスタイルに合わなければ、長続きせず失敗に終わる可能性が高いからです。

弱みを強みに変える「株式投資」という選択

人に頭を下げる商売は向いていない。しかし、貧困からは絶対に抜け出したい。その強烈な思いが、リョウジさんをひとつの結論へと導きました。

この貧困から脱出したい。二度とこんな惨めな思いはしたくない。そして家族にもさせたくない。少年時代の切実な思いが、その後ずっと、私の人生の中心にあり続けました。そして見つけたのが、その後に出合う「株式投資」だったのです。
――『「株ノート」で60歳から1億円 92歳現役投資家リョウジさんの超★シンプル投資術』より

株式投資は、人に頭を下げる必要も、無理に愛想を振りまく必要もありません。市場とパソコン、そして自分自身と冷静に向き合うだけの、極めて自己完結型の世界です。

「人に頼むのが苦手」という一見ネガティブな要素も、裏を返せば「一人で黙々と分析し、決断できる」という投資家としての適性になり得ます。自分の性格に合った土俵を選ぶことが、ストレスなく資産を築き、90歳を超えても現役で勝ち続けるための究極のノウハウなのです。