何が好きか、何をしたいか、何が自分に合っているか――その問いに、すぐ答えられない人は意外と多い。自分ではなく他人の基準で選択を重ねてきたとしたら、立ち止まって考える価値がある。

自分の個性 人格 仕事

自分が何を真に望んでいるか、わかっていない人が多い

自分が何を真に望んでいるかについての認識と関心が足りない人が多いとされている。
これは能力の問題ではなく、日常の忙しさの中で、
自分自身に向ける時間と注意が少なくなっていることから来ているのかもしれない。

仕事を選ぶとき、生き方を決めるとき、
「親が望んでいるから」「社会的に評価されるから」「周りがそうしているから」という理由で、
気づかないうちに他人の価値基準に従って選択を続けている人は少なくない。
その積み重ねが、「自分が何を望んでいるのかわからない」という感覚につながっていく。

価値の基準は、他人ではなく自分に求めるべきだ

自分が何を真に望んでいるかについての認識と関心が足りない人が多いことだろう。
ショーペンハウアーは、価値の基準を他人ではなく、自分に求めるべきだと力説する。
私たちにできる唯一のことは、自分の個性を最大限に有利に活用し、人格に合った仕事に努力を傾けることだ。

ショーペンハウアーは、価値の基準を他人ではなく、自分に求めるべきだと力説している。
これは、自己中心的に生きることを勧めているのではない。
他人の評価軸に自分の人生を委ねることをやめ、
自分の内側にある判断基準を大切にすることの重要性を示している。

そのうえで、私たちにできる唯一のことは、
自分の個性を最大限に有利に活用し、
自分の人格に合った仕事に努力を傾けることだとされている。
誰かの真似をしたり、羨ましいと思う他者に近づこうとしたりするより、
自分がすでに持っているものを、最もよく活かせる場所に向けることの方が、
ずっと確かな手応えをもたらすということだ。

「自分の個性を活かす」という視点を持つ

自分に合った仕事や生き方を見つけることは、簡単ではない。
しかし、その探索を他人の評価に頼って進めている限り、
たどり着いた先が本当に自分に合っているかどうかを確かめる術がなくなってしまう。

価値の基準を自分に求めるということは、
自分の感覚や反応に、もう少し注意を払うことから始まる。
どんな時間に充実感があるか、何をしているときに苦にならないか、
どんな状況で力が発揮されるか――
こうした問いに向き合うことが、自分の個性を知るための手がかりになる。
外側の評価軸ではなく、自分の内側にある判断の声に少しだけ耳を傾けること――
それが、自分に合った方向へ歩き始めるための、最初の一歩になる。

今日から試すなら、誰かにとっての正解ではなく、自分が「これは合っている」と感じる瞬間を一つだけ思い浮かべてみることだけでいい。

(本記事は『求めない練習 絶望の哲学者ショーペンハウアーの幸福論』をもとに作成しました)