新規ビザ「96%減」の衝撃
ザル法から一転の「強制排除」
それよりも日本人または永住者などの常勤職員の雇用義務の難易度が高いと言われている。人手不足の日本で小規模事業者が人を雇うのはそう簡単ではない。事業実態がないとコスト負担も重くのしかかることになる。厳格化によってこの他に、申請者本人か常勤職員に日本語能力(N2相当以上)、本人に修士号・修士・専門職学位の取得または3年以上の経営・管理の経験が必要とされる。
このため、このビザの新規申し込みは以前の約96%減と激減している(読売新聞 5月12日)。導入前の月平均約1700件から、導入後は月平均約70件と2桁減である。政府は2028年10月16日まで移行期間を設け、この期間中に新基準を満たさないことだけを理由に更新不許可とはせず、経営状況や納税状況、今後基準を満たす見込みなどを踏まえて個別に判断するとしている。しかし、既にこのビザを取得している人の更新も難しくなっているという声も上がっている(ダイヤモンド・オンライン 6月20日)。
東京23区の中国人は1月から4月の3か月で3059人の純減に転じている(東京都の統計「区市町村別国籍・地域別外国人人口(上位10か国・地域)」)。制度改正前までは受け入れ優先のザル法だったが、180度の方向転換によって今後の潤日の終焉を意味する可能性がある。
日本に在留している期間が10年(そのうち就労資格などで5年以上)を経過すると永住者申請ができるようになる。そのため、日本での永住権は取得しておきたいニーズが強い。
但し、中国人の流入はビザの種類によって動向が異なる。その代表格は留学だ。
日本語学校、大学や大学院への留学で来る若年中国人は多い。中国人にとって留学先として最も望ましいのは米国らしいが、トランプ政権下で移民の締め出しは留学生にも及んでいて、敬遠せざるを得ない状況となっている。とはいえ、中国人には留学したい理由が明確にある。中国では受験戦争が日本の比ではないことと若年失業率が高い今の中国で卒業後の就職先を見つけにくいことだ。
実際、留学生は増えている。親が支払うので、賃料負担能力がかなり高く、最近の新築の家賃高騰についていけるのは中国人留学生くらいだ。エリアによっては入居者の半数以上を中国人留学生が占めるケースもある。日本政府が後押ししているのもあるが、卒業後は日本で働く中国人も増えている。こうして賃貸需要は堅調に伸び、需給はひっ迫し、稼働率が上がり、賃料が上昇している一因となっている。







