通帳を見て悲しむ男性写真はイメージです Photo:PIXTA

世帯年収3000万円という誰もが羨む高収入夫婦。しかし、手元にお金は残らず、年間の貯蓄額はわずか70万円。FPが呆れた大手コンサル妻の主張と、士業の夫が「老後のため」と毎月55万円も使っていた“残念すぎる支出”とは?(家計再生コンサルタント 横山光昭)

高収入夫婦がハマった落とし穴
稼いでもお金が残らない理由

 家計相談には、世帯年収が3000万円を超えるような高収入世帯の方が来られることがあります。

 世間から見れば誰もが羨む「勝ち組」が、お金の何に悩むのかと思われるかもしれません。実は、こうした高収入世帯ほど、世間の投資ブームの陰で「深刻なお金の穴」にハマっていることがあるのです。

「これだけ稼いでいるのだから大丈夫」「自分たちはいつでも働ける」という安心感から家計を放置し、生活費が際限なく膨らんでしまう。貯金は自然に貯まっているはずだし、定年後も働けば老後は何とかなるだろうと思い込んでいる場合もあります。

 だからこそ、世間でNISAやiDeCoが話題になり「うちもそろそろ始めようか」と重い腰を上げた時に、「投資に回せるお金が一切ない」という現実に直面して呆然とすることになるのです。信じられないかもしれませんが、こうしたケースは決して珍しくありません。

 高収入という強力な武器を持っているのに、お金の使い方に問題があるために「お金持ち」にはなれない。そんな典型的な相談がありました。

「月収は夫婦合算の手取りで180万円以上あるのに、なぜか手元にお金が残らないんです」

 深いため息をつきながらそう切り出したのは、大手コンサルティングファームで働く坂本美咲さん(47歳・仮名)。専門職(士業)の夫(49歳)に「これだけ稼いでいて、なんで貯まっていないんだ」と責められ、どうしようもなくなって相談に来られました。ご夫婦には、中学2年生と小学4年生のお子さんがいます。

 月収180万円以上の内訳は、夫の手取りが月約110万円、妻の手取りが月約70万円。さらに年間で数百万円のボーナスが入るため、世帯の年間手取り収入は2500万円を超えます。現在の貯金額は約2200万円。収入に見合う額に見えますが、実はそのうち1500万円ほどは妻が親から受け継いだ相続財産です。結婚してからの10年間で夫婦が実際に蓄えたのは700万円ほど、年間にすると70万円程度しか貯められていなかったことになります。年収から見ると、少なすぎると感じます。

「毎月の生活費や教育費は私の給料から、保険料や水道光熱費など引き落としで払える生活費は夫が払っています。お金が残れば各自で自由に使っているので、毎月お金は何も残らないと言ってもいい」と美咲さんは話します。ボーナスも二人で年間300万~400万円あるものの、いつの間にか無くなっているそうです。

 具体的な支出を見ると、妻は毎月の食費・外食費に約28万円、日用品やネットショッピングに約20万円、私立中学の授業料や塾、小学生の習い事などに約20万円。そのほかにも細かな支出があり、給料はきれいになくなる計算です。