人工知能(AI)の台頭により、米国では将来的に労働者が就く仕事が不足するとの懸念が高まっている。しかし、米経済が直面する課題は正反対のものかもしれない。つまり、労働力人口への新規参入者が急激に減り、前例のない人手不足の時代が到来するかもしれないのだ。著名な人口統計学者スティーブン・ラグルズ氏の分析によると、こうした動向は米経済の仕組みを根本から変える可能性がある。それによって労働者の交渉力が高まり、賃金が上昇するというのだ。それはまた、米経済が健全な状態を維持するためには、AIがもたらすような生産性の向上が必要になる、という意味かもしれない。「前例のない人手不足が生じれば、AIのような省力化機器の導入を促す大きなきっかけとなる」とラグルズ氏は述べた。同氏は米ミネソタ大学の教授で、人口統計に関する研究により2022年に「マッカーサー賞(天才賞)」を受賞している。