中国が席巻する蓄電池市場、太陽光・風力エネの鍵握るPhoto:VCG/gettyimages

 夏のピークの日にテキサス州とカリフォルニア州への全電力供給を維持できるだけの電力を備えた蓄電池群を想像してみてほしい。それを中国はわずか5年間で構築した。しかもこれは始まりにすぎない。

 人工知能(AI)ブームが電力網に負荷をかける中、その管理に役立てようと中国政府はコンテナ大の大型蓄電池群に重点を置いている。この技術は中国にとって特に有用だ。1日24時間安定して発電することができない太陽光発電や風力発電に多額の投資をしているからだ。蓄電池は晴天や強風の日に余剰電力を取り込み、後で必要になった時にその電力を放出する。

 わずか5年前には、中国の蓄電池の総容量は4ギガワット未満で、同国の巨大な電力網においては四捨五入による誤差程度にすぎなかった。今年1-3月期末時点では、中国の非従来型蓄電能力(大半が蓄電池)は約155ギガワット(GW)まで急増した。中国政府は6月、2030年までに300GWを目指すと明らかにした。

 中国製の蓄電池は米国の市場でも支配的地位にあり、米政府ではライバル国への依存をいかに回避するかを巡り懸念が生じている。

 蓄電池に支えられ、太陽光発電と風力発電は中国の電力供給の22%を占めている。それでも中国は依然として電力の半分以上を石炭火力から得ている。

 中国政府は2030年までに、化石燃料を使わないエネルギーを主要な電力源にしたい考えだ。新設されるすべてのデータセンターに対して、電力の少なくとも80%を再生可能エネルギーにすることを政府は義務付けている。