まずは外周コースから~穏やかな乗り味

 まずは比較的起伏の緩やかな外周コース。締まった土の上に砂利が浮き、ところどころに浅い轍や小さな段差が設けられている。適度な勾配の坂もある。ここだけなら数多ある「なんちゃってSUV」でも通過できそうな難易度である。

外周コースを走るジムニーノマド Photo by A.T.外周コースを走るジムニーノマド Photo by A.T.
外周コースを走るジムニーノマド Photo by A.T.外周コースを走るジムニーノマド Photo by A.T.

 アクセルを軽く踏み、低い速度を保って走り出す。路面の細かな凹凸を拾うたび、前後のリジッドアクスルが動いていることが分かる。車体がムダに跳ねることがない。ホイールベースが伸びた分、普通のジムニーと比べると前後方向の動きが“ゆったり”している。段差のたびにヒョコヒョコとせわしなく前後へ揺すられる感覚も抑えられている。

 自然吸気1.5Lエンジンのパワーは、必要にして十分だ。オフロードでは最高出力よりも低速域でアクセル操作にどれだけ素直に反応するかが大切だ。右足を動かした分だけ素直に車体が前へ出る。勢いに任せて段差へ突っ込まず、タイヤを一輪ずつ狙った場所へ置いていける感覚がある。非常に運転しやすい。

 ステアリングも同様。動きが穏やかで扱いやすい。轍にタイヤを取られても、ハンドルが急に暴れることはなく、進みたい方向へ落ち着いて向かっていける。オフロードで求められるのは、切り始めの鋭さではなく、車体がどこを通り、四つのタイヤが今どこにあるのかを把握しやすいことだ。ノマドにはその能力がしっかり備わっている。あぁ。良いクルマだなあ。「悪路へ挑んでいる」という緊張感は全くない。ド素人の不肖フェルが、特別なテクニックを使うでもなく、アクセルとステアリングを丁寧に扱うだけで、ノマドは淡々と前へ進んでいく。

 だがこの程度のコースなら、一般的な四駆SUVでも楽勝で走ることができよう。乗り心地だけを比べれば、むしろ四輪独立懸架のモノコックSUVの方が滑らかに感じるかもしれない。なに、ここまではほんの小手調べ。ノマドの真骨頂を試すのはここからだ。