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「ひとりは最高!」と信じて生きてきた78歳の筆者が、70代に入ってから、家族のある人をうらやむ自分に驚いた。では、寂しさを埋めるために高齢者向け住宅や地域のコミュニティに入れば、孤独はなくなるのか。ひとり暮らしだからこそ味わえる自由と、集団で暮らすことの難しさ。人生の終盤を迎えた筆者が、「ひとりで生きる」という選択をあらためて見つめ直す。※本稿は、ノンフィクション作家の松原惇子『70歳からは「これ」だけあればいい』(SBクリエイティブ)の一部を抜粋・編集したものです。
70代に入ってから
家族のある人を羨む自分に驚いた
忙しくて充実した毎日のことを振り返っても、正直、なんの懐かしさも愛おしさも感じていない。
なぜなら、終わったことだからだ。あの時のわたしはもういない。終わった過去のことでしかない。78歳の今、この原稿を書いているわたしが今のわたしだ。明日は知らないが。今のわたしがすべてだ。
コロナ禍の影響もあり、70代に入ってからは、過去のことより、現在のことを考えるようになった。
あと5年か10年先かは神のみぞ知るだが、終わりに近づいていることだけは確かだ。命の終わりが見え隠れする年齢になると、人間的に深くなるのかもしれない。最後の仕上げではないが、さあ、これからどう終えるのかと、問われている気がする。
時々、思いもよらぬことを考えている自分に驚くことがある。
「ひとりもいいけど、やっぱり家族を持つべきだったかしら……」
「友達は都合のいい時だけのお付き合い。一番大事なのは家族かもしれない」
家庭を持つことに興味がなく、ひとりであることに誇りを持って生きることを提唱し、自らも励ましてきたわたしなのに……。







