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個人が持つ知識や経験をチームで共有すれば、仕事の属人化は防ぎやすくなる。ところが、知識を共有しても評価されない職場ではその動きは続かず、さらに「自分にしかできない仕事」が本人の存在証明になっている場合もある。属人化がなくならない職場に潜む、人間心理を考える。※本稿は、作家の沢渡あまね『定時で成果 残業ゼロでも目標を達成するチームづくりの教科書』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。
暗黙知→形式知への転換で
強いチームが生まれる
メンバー(管理職やリーダーも含む)1人ひとりの体験・経験・知見・情報などのうち、可視化された知識(ナレッジ)を形式知といいます。対して、可視化されておらず、個々にとどまっている知識を暗黙知と呼びます。
振り返りで学んだことを、誰か1人の頭のなかにとどめておくことは、あまりおすすめしません。
それでは次に同じ仕事が来たとき、また同じメンバーに頼るか、あるいは同じ試行錯誤を繰り返すことになり、残業が「戻ってくる」からです。
振り返りの成果をチームの資産に変える。それこそが形式知化の意義であり意味といえるでしょう。
形式知は文章、計算式、図表、映像などさまざまな形態をとります。
どんなに優秀な人がそろっているチームであっても、それが各自の暗黙知、すなわち個人知にとどまっている状態ではチームの能力は限定的です。
属人化が進み、チームとして安定した品質やパフォーマンスを発揮できない可能性も。
強いチーム、安定して効率よく未知のテーマに対しても答えを出せるチームは暗黙知を形式知に、つまりは個人知を組織知に転換していきます。
そのためには個人知を開示しあい、相互に参照可能かつ利活用可能にしていく必要もあります。
知識共有が続かない職場に
共通する5つの要因
形式知化が行われない背景は大きく以下の5つです。順を追って説明します。
(1)時間がない
個の経験や知識を、わざわざ文章にしたり、チームに共有したりする時間がない。
皆、目先の成果を出すための仕事で日々忙しく、そこへきて会社から「働き方改革」だの「残業削減」などのプレッシャーも加わり、ある意味でこれは当然の事象であるともいえます。
(2)使われない
頑張って自分の知識を形式知にしても、誰にも使われない。それでは、「わざわざ」形式知化するモチベーションも失われます。
(3)評価されない
形式知化の努力をしても、誰からも評価されない。こうして知識や情報を周囲に共有する人が1人、また1人と減っていく。
(4)感謝されない
評価はされなかったとしても、せめて形式知化をする努力や成果に対して感謝はしてほしい。しかし誰からも感謝もされない。それではやはり、取り組みに対して張りあいがなくなり、続かなくなるものです。
(5)つまらない
往々にして、形式知化の取り組みは地味でともすればつまらなくなりがちです。よって、誰もやりたがらないし、続けたがらない。







