「若いうちは貯金なんてせず、お金を使ったほうがいい」。たしかに、経験のためにお金を使うことには大きな価値があります。しかし、給料もボーナスもすべて使い切ってしまうなら、一度立ち止まったほうがいいかもしれません。『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』には、私たちがなぜモノにお金を使い続けてしまうのか、その正体を教えてくれる言葉があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)
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最近、こんな相談があった
「39歳です。貯金は0円です。給料もボーナスも、すべて使い切ってしまいます。若いときほどお金を使うべきですよね。この考えは間違っているでしょうか?」
相談者は、「浪費している」という感覚をあまり持っていなかった。
旅行に行く。服を買う。新しいスマホに替える。話題のお店で食事をする。
「せっかく稼いだお金なのだから、使わないともったいない」
それも、一つの考え方だと思う。
私は「もっと貯金してください」とは言わなかった。
むしろ考えてほしいのは、「なぜ、それにお金を使ったのか」ということだ。
そのとき、『世界の果てのカフェ』に出てくる言葉を思い出した。
私たちは「モノ」ではなく「幸せ」を買っている
本書には、こんな問いが出てくる。
――『世界の果てのカフェ』より
考えてみれば、広告が売っているものは、商品そのものだけではない。
高級車の広告は、単なる移動手段を売っているわけではない。
ブランド品の広告も、単なるバッグや時計を売っているわけではない。
その先にある「豊かな人生」や「憧れられる自分」までセットにして売っている。
だから私たちは、商品が欲しくなる。
もっと言えば、その商品を手にした先にある「幸せ」が欲しくなるのである。
「持っていないあなたは満たされていない」
さらに本書では、その仕組みについて、こう語られる。
たとえば、このメーカーの車を運転すれば、あなたの人生に意味が生まれる。あの会社のアイスクリームを食べれば幸福感が得られる。このブランドのダイヤモンドを所有すれば満足感が得られる……。
ここであなたに大切な話をするわね。たとえさりげなくても、たいていは強力なメッセージが伝わるのよ。『この商品を所有すればあなたは満たされる』に加えて、『これらを所有しなければあなたは満たされない』というメッセージが」
――『世界の果てのカフェ』より
ここが重要だ。
「これを買えば幸せになれる」というメッセージの裏側には、「今のあなたは、まだ十分に満たされていない」というメッセージも隠れている。
これを真に受け続ければ、買い物に終わりはなくなる。
一つ買えば、次が欲しくなる。
新しい服を買えば、新しい靴も欲しくなる。
去年買ったスマホも、新製品が出れば古く感じる。
そうやって「満たされない自分」を埋めるためにお金を使い続ければ、給料が増えても貯金は増えない。
貯金0円の人が知らないこと
相談者に私はこう伝えた。
「お金を使うことが問題なのではありません。その買い物で、自分の何を満たそうとしているのかを考えてみてください」
若いうちにお金を使って、旅をする。勉強する。人に会う。ずっとやりたかったことに挑戦する。
そういう使い方なら、人生を豊かにしてくれるだろう。
しかし、「これを持っていない自分はダメだ」という不足感を埋めるために買い続けているのなら、話は別だ。
「貯金0円の人」が知らないこと・ベスト1。それは、「欲しい」という気持ちのすべてが、自分から生まれたものとは限らないということだ。
何かを買う前に、「これは本当に自分が欲しいものなのか」と問いかける。
それだけで、お金との付き合い方は大きく変わっていくのである。




