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頼ってくる後輩を放っておけず、仕事だけでなくプライベートの相談にも親身に乗っていた。ところが、忙しさから相談に応じきれない時期に仕事上の注意も重なると、相手の態度が一変する。善意で始まった関係は、なぜ「先輩にいじめられている」という訴えにまで発展したのか。※本稿は、ヘルスコミュニケーションスペシャリストで博士(保健学)の蝦名玲子『病まないための職場サバイバル戦略』(集英社)の一部を抜粋・編集したものです。
感情の起伏が激しい後輩との
適切な距離感とは?
《新入社員のBさんの指導係になりました。「先輩が憧れです!」「先輩に教えていただけて本当に嬉しい」と慕ってくれ、最初は素直に嬉しく感じていました》
《Bさんからの相談は、はじめは仕事に関する簡単な質問でしたが、日に日にその頻度も量も増し、やがて「こんなこと相談していいのかわからないのですが、頼れるのは先輩だけで……」と、より深刻なプライベートの悩みまで話してくるようになりました。そうして相談に乗っているうちに、徐々に私の中に「Bさんを支えてあげられるのは私だけ」という思いが芽生えるようにもなりました》
《しかし、そうした相談業務は負担が大きいものです。できるだけ相談に乗るようにしていたものの、忙しい時期に対応しきれなかったこともありました。ちょうどその頃、Bさんに対して仕事上の注意をすることが重なりました。するとBさんは、手のひらを返したように私を避けるようになり、さらには周囲に「きちんと指導してもらえていない」「先輩にいじめられている」などと言いふらすようになったのです》
《これまで多くの時間を割いて親身になって相談に乗り、支えてきたつもりなのに、突然、陰口を言い始めたBさんを見て、正直やってられなくなり、「Bさんにとっても、私にとっても、指導係には別の人がなった方がいいのではないか」と上司に相談し、私はBさんの指導係から外れました》
《その後、Bさんは他の人たちとも同様のトラブルを起こしました。まわりから「“甘えたかまってちゃん”みたいで、つきあいきれない」という声も聞かれるようになり、Bさんは次第に職場で孤立していきました》
《当然の結果だなと思いつつ、つらそうなBさんを見て、何かもっとできることがあったのではないか、と罪悪感や反省の気持ちも湧いています》
突然敵視された背景は
「関係性の変化」から読み解ける
心を一気に開いたかと思えば、拒絶されたと感じた途端、「冷たい人だ」「人格を否定された」と深く傷つき、急に心を閉ざしたり、攻撃的になったりする。感情の起伏も激しいため、周囲と対立しやすく、気にかけてくれた人たちを振り回し、疲弊させてしまう。一方で、本人も「誰も理解してくれない」と悩みながら、次第に職場で孤立していく(注1)。







