「いつか時間ができたら、やりたいことをやろう」。そう考えながら、仕事や貯金に励んでいる人は少なくありません。しかし、その「いつか」を待ち続けることこそ、人生の目的を見失う原因なのかもしれません。『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』には、「今」を生きるために自分へ投げかけたい、素晴らしい質問があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「人生の目的」を見つける、素晴らしい質問・ベスト1Photo: Adobe Stock

なぜ「やりたいこと」は後回しになるのか

 私たちは、未来のために生きることに慣れている。

 若いうちは、いい会社に入るために勉強する。
 会社に入ったら、給料を上げるために働く。
 お金を稼いだら、住宅ローンや教育費、老後のために貯める。

 もちろん、将来に備えることは大切だ。
 しかし、そればかりを続けていると、いつの間にか人生そのものが「準備期間」になってしまう

世界の果てのカフェ』には、そんな生き方に対する印象的な問いがある。

「なぜ私たちが人生の多くの時間を、やりたいことができる『いつか』の準備のために費やすのか。今を生きるのではなく」
――『世界の果てのカフェ』より

 この質問は、かなり鋭い。
 私たちは「何をやりたいのか」ばかり考える。

 しかし、その前に考えるべきなのは、「なぜ、それを今やっていないのか?」なのかもしれない。

「幸せになる準備」で人生が終わってしまう

 では、なぜ私たちは「いつか」に向かって生きてしまうのか。
 本書では、その理由の一つとして「広告」が挙げられている。

「誤解しないで。私は何も、車やアイスクリームを買うなとか、ショッピングモールに行くなとか言っているわけじゃない。それどころか、誰もが人生でやりたいことをやるべきだと固く信じているわ。
 あなたはたずねたわよね。なぜ人は、今を大切に生きずに、『いつか』の人生に備えて多くの時間を費やすのか、と。
 その答えのひとつが、用心していないと、毎日目にする大量の広告メッセージに惑わされてしまう、ということなの。『幸せと充実感の答えは商品やサービスにある』と信じてしまうはめになるのよ」
――『世界の果てのカフェ』より

 もっといい家に住めば、幸せになれる。
 もっといい車を買えば、満たされる。
 もっとお金があれば、やりたいことができる。

 そう考えて、私たちは働く。
 そして、稼いだお金でモノを買い、さらに次のモノを買うために働く。

 その結果、「やりたいこと」はずっと未来に置かれたままになる
 これでは、幸せになるために生きているはずが、「幸せになる準備」をするだけで人生が終わってしまう。

「人生の目的」は遠い未来にあるとは限らない

 人生の目的というと、大げさに考えてしまう。

「世界を変える使命を見つけなければ」
「天職を見つけなければ」

 そんなふうに考える必要はない。
 むしろ、自分が「いつかやりたい」と思っていることを思い浮かべてみる

 いつか家族とゆっくり過ごしたい。
 いつか小説を書きたい。
 いつか海外で暮らしたい。
 いつか好きな仕事をしたい。

 その中に、自分が本当に望んでいる人生のヒントがある。
 大切なのは、それを「いつか」のまま放置しないことだ

人生の目的を見つける、素晴らしい質問

 そこで、自分に問いかけてみてほしい。

「『いつか』やりたいと思っていることを、なぜ今日やらないのか?」

 会社を辞める必要はない。
 貯金を全部使う必要もない。
 海外移住が夢なら、まずその国について調べてみる。
 小説を書きたいなら、今日100文字だけ書いてみる。
 家族との時間を増やしたいなら、今夜は少し早く帰る。

 人生の目的は、未来のどこかに隠されているものではない。
「いつかやりたい」と思いながら後回しにしていることの中に、すでに表れているのかもしれない。

 だから、「いつか」を待たない。
 今日できる小さなことから始めてみる

 それが、自分の人生を「準備期間」で終わらせないための第一歩なのである。