ザック・スピースさんとアナ・モーゲンスターンさんは、どちらかが離職した場合に追加的な経済支援を提供するという条項を婚前契約に盛り込んだ
離婚弁護士のリサ・ジーダーマン氏はニューヨーク市マンハッタンのミッドタウンにあるオフィスで、結婚に関して想像し得るありとあらゆる悲惨な物語を目撃してきた。中でも特に多いのは、何十年もの結婚生活の末に、家庭で育児を担っている親にはお金がほとんど残らないという離婚だ。
しかしジーダーマン氏によると、ここ1~2年、「離職」条項を含む「プレナップ(婚前契約書)」の作成依頼が増えている。この条項は、一方の配偶者が家庭に入り、キャリアをあきらめる決断を下すと発動する。ジーダーマン氏は現在、3組のカップルからの依頼でこの条項を含む婚前契約書を作成しているという。
離婚弁護士によれば、一定の条件を満たすと発動するこうした「トリガー条項」の人気はますます高まり、婚前契約書に対する認識やその使い方を変える一つの要因になっている。婚前契約書は歴史的にタブー視されてきた話題で、新参者から家族の資産を守る契約と受け止められてきた。しかし近年は資産を守るツールとしてだけではなく、婚姻関係にある2人のどちらにも不利が生じないようにする手段となっている。
ニューヨーク市在住のアナ・モーゲンスターンさん(40)とザック・スピースさん(45)は昨年6月の結婚式前には、婚前契約を作成するつもりはなかった。2人は共に企業経営者で、モーゲンスターンさんは結婚仲介とデートコーチの専門家であり、スピースさんは不動産エージェントで、アートギャラリーのオーナーでもある。2人は子どもを持つことについて既に話し合っていたが、どちらかが子育てのために仕事を辞めたらどうなるのかとスピースさんが聞いてきたのは、モーゲンスターンさんにとって驚きだったという。
モーゲンスターンさんの事業が軌道に乗れば、自分が第一線を退いてもいいとスピースさんは話した。2人は、自分たちで婚前契約書を作成できるオンラインプラットフォーム「ハロープレナップ」を利用。不貞があった場合を除き、どちらかが離職したら、働いている方が追加的な経済支援を行うという内容で合意した。







