9月18日の金融政策決定会合後、会見に臨む植田和男日本銀行総裁9月18日の金融政策決定会合後、会見に臨む植田和男日本銀行総裁 Photo:SANKEI

物価「2%」でアンカリングできるか
利上げ加速は4月から準備!!?

 日本銀行は、9月18日の金融政策決定会合で政策金利を31年ぶりに1.25%に引き上げる決定をした。

 マイナス金利を解除し金利正常化に踏み出した2024年3月から2年半の時間をかけて、政策金利は日銀が示す中立金利レンジ(1.1~2.5%)についに入った。

 筆者は前回6月利上げ後の寄稿で、「この先、真価が問われるのは、物価上振れへの対応姿勢」「想定以上の物価上振れとなれば、利上げペースを速める検討が必要」と指摘した。

 日銀は今回9月、中東情勢不安定化による原油価格上昇の企業間の取引価格や小売価格への転嫁の進行を確認し、物価上振れリスクに対して、従来の半年に1回程度から、3カ月に1回程度に利上げペースを加速させた。

 物価の番人として、物価上昇抑制と円安加速阻止に機動的に対応したことは評価できる。

 植田和男総裁は決定会合後の会見で、基調的な物価上昇率が物価目標の2%に近づいているとの認識を示すとともに、今後は、「物価を2%程度でいかに定着させるかが重要なポイント」とし、「政策の局面が変化している」と語った。

 振り返れば、日銀は今年4月から、利上げペースの加速を準備していたと考えられ、「政策局面の変化」の文言も、金利を据え置いた7月決定会合の声明文ですでに明記されていた。

 9月利上げでは、ベッセント米財務長官が主要20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の際や米メディアのインタビューなどで、日銀の利上げ等を支持・期待するなどの発言を繰り返したことが、「追い風」になったとされるが、一方で日銀自身が利上げペースの加速に向けて、着々と準備を進めていたことも事実だ。

 だが今後も、日銀が3カ月に一度の利上げペースを続けるかどうかは、不透明だ。中東情勢などの行方が見えないだけでなく、物価安定の目標を2%に掲げてから、初めて基調物価が2%程度に到達し、2%にアンカリング(着地)する政策運営も初めての状況だ。

 当面は、10月の展望レポート(経済物価情勢の展望)で物価の上振れリスクなどがどのように認識されるかが、焦点になる。