対象期間は8月から翌年7月までで、その間の自己負担額を累計し、年間上限額に達すると、超過分は払い戻しされる。
「なぜ、8月から1年間なのか」と不思議に思うことだろう。実は、「年間上限」は、現状でも一部の人を対象に存在している。70歳以上の所得区分「一般」と「住民税非課税」の所得区分に該当する人の外来特例には、「年間上限」が設けられている。
その対象期間は8月1日から翌年7月31日としている。暦年を取っていないのは、医療保険制度の切り替わり時期が8月だからだろう。
このカウント期間だと、「年間上限」に達しないケースも出てくる。先述の毎月抗がん剤治療で医療費が8万2000円の例で、2月から1年間治療したとする。2月から7月の6カ月分で49万2000円、8月から1月の6カ月分で49万2000円、いずれも年間上限の53万円には該当しないことになる。この場合、負担額は合計98万4000円だ。
制度なので、カウント期間が決められているのは、仕方ないのかもしれないが、「多数回該当」は「直近12カ月の間に高額療養費に3回該当すると4回目から上限が引き下がる」という仕組みがあるので、年間上限もこの仕組みを導入すればいい。せっかくの配慮措置なので、使いやすいものに改善してほしい。
「年間上限」の注意点二つ目は
「知らないと申請できずに損をする」
厚生労働省の「高額療養費の年間上限の新設」の説明資料には「月ごとの自己負担額が積みあがっても、年間の上限額に達した後は、それ以上の医療費の支払いは不要となります」とある。







