フェルディナント・ヤマグチの走りながら考える

「よりによって中国車を褒めるのか」SNSでラッコ(RACCO)を褒めた自動車評論家たちが、SNSで叩かれまくっています。ラッコとは、世界首位のEVメーカー・BYDが日本市場だけのために設計した軽自動車のこと。炎上上等、褒めるところがあるかないかしっかり試乗してレポートを書いていただきましょう。4日間、フェルさんが本気でラッコを乗り回した正直な感想とは……?なお今回も、ヨタ話は本編のあとに掲載しています。(コラムニスト フェルディナント・ヤマグチ)

炎上覚悟、深夜の大井PAから投稿

 炎上上等。

 その覚悟で、私はBYDの軽EV「ラッコ」をSNSで思い切り褒めた。

 金曜日深夜。試乗の最中に大井PAに立ち寄り、「BYDラッコ。いや驚きました。ここまでの出来とは思いませんでした。素晴らしい!」と投稿した。

8月末、SNSにラッコの写真を投稿。9月15日時点で閲覧数は4万5000超8月末、SNSにラッコの写真を投稿。9月15日時点で閲覧数は4万5000超 Photo by Ferdinand Yamaguchi

「中国車を持ち上げるな」の大合唱、炎上前提で社長インタビューへ

 2026年8月、ラッコの試乗車が自動車メディア関係者に貸し出され始めると、SNS界隈は実に賑やかになった。試乗した自動車評論家やジャーナリスト諸侯が感想を投稿するたびに(特段に褒めずとも)、コメント欄は荒れに荒れた。

「よりによって中国車を褒めるのか」「日本のメーカーを応援しろ」といった“パトリオット(愛国者)系”書き込み。

「中国製のクルマなんて信用できない」「燃えるんじゃないのww」という“製品不信系”コメント。

 さらには、

「どうせBYDからカネをもらっているんだろう」
「案件乙ww」

 など、猜疑心旺盛な“プロモーション系”まであった。ラッコについて投稿した人たちは、例外なく何らかの罵詈雑言を浴びる。

 炎上は面倒だ。傷つく人は傷つく。だから最初から友達限定公開にしている人もいたし、途中から公開範囲を絞った人もいた。中には投稿そのものを削除してしまった人もいる。なるほど、そこまで荒れるのか。

 BYDのインタビューは試乗日程の最終日。横浜にあるBYD JAPANに試乗車を返却し、そのまま東福寺社長にお話を伺う段取りになっている。どうせなら徹底的に炎上させて、「こんなことを言われていますけど」とネガティブなコメントをぶつけ、日本法人の社長自らに逐一お答えいただく形式にしたらどうだろう。そう考えた。

SNSがどれくらい荒れたかというと……

 金曜深夜。いつもの首都高大回り周回コースに出かけた。週末の大黒PAはクローズしているので、大井PAにラッコを止めて、さっそく写真とともにベタ褒めコメントを投稿する。