想像してみてほしい。米国がデジタルの壁に囲まれた庭となり、そこでは外国のソフトウエアが禁止され、誰もが一握りの国内事業者に頼ってコストの高い人工知能(AI)を利用する。一方、世界の他の地域では、自由にダウンロードやカスタマイズ、配布ができるような中国のオープンモデルを基盤として、AI経済が構築されている。聞き覚えがあるだろうか。中国の「グレートファイアウォール(防火長城)」の真逆の状況なのだ。これは大規模な規制と技術のシステムであり、20年以上にわたり外国との競争を抑え込み、中国国民が情報にアクセスするのを制限してきた。米国は競争と開放性を支持せずに、技術の保護主義へと少しずつ向かっている。中国AI新興の月之暗面(ムーンショットAI)の「Kimi K3」モデルが「蒸留」(あるAIモデルの出力データを使って別のモデルの学習や改善につなげること)を行っているとの非難を巻き起こしたのを受け、中国のオープンソースのAIモデルに制限を加えることを米政府は検討している。こうした考えは経済的な強硬姿勢を示しているように思える。つまり、競争相手を米国市場から締め出し、機密技術を保護するということだ。だが禁止すれば、一握りの既存事業者にさらなる力を与える一方で、新興企業のコストを押し上げ、米国の技術革新に必要なオープンモデルのエコシステムが弱体化することになる。
【寄稿】米国が「グレートファイアウォール」構築
競争と開放性を支持せず、AI保護主義に向かう
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