第2次トランプ政権が始動してから間もなく、ドナルド・トランプ大統領の経済顧問らはシンプルな理論を提示した。それは、米政府が巨額の財政赤字の削減に真剣に取り組んでいる姿勢を債券市場に示せば、長期金利は自然に低下するというものだった。これによってトランプ氏は米連邦準備制度理事会(FRB)に干渉せずに済むはずだった。だが、そうはならなかった。インフレ率は上昇し、FRBは利上げに踏み切った。10年物の米国債利回りはトランプ氏の2期目就任日の水準を大幅に上回っている。トランプ新政権は当時、高金利の原因はバイデン政権時代の放漫な支出にあると非難していた。先週、10年債利回りは2007年以来の高水準に達した。米経済の底堅さや、エネルギー供給の混乱が長期化しインフレ圧力を悪化させる恐れがあること、さらにインフレ圧力の沈静化を待つ中央銀行が忍耐力を失いつつあることを投資家が意識したためだ。