「朝の立ちくらみ」をいつものことだと軽く見てはいけません。それは脳の血流が低下している危険なサイン。もし転倒すれば、要支援状態や認知機能の低下という取り返しのつかない事態に陥るリスクが潜んでいます。クリアな脳と健やかな体を一生涯守り抜くために、明日からすぐに見直せる朝の行動習慣をご紹介します。
※本稿は『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳』(ダイヤモンド社)をもとに編集したものです。

【脳の専門医が警告】認知症や寝たきりを招く…寝起きの絶対NG習慣・ワースト1Photo: Adobe Stock

「立ちくらみ」は脳からのSOSサイン

朝、布団からバッと起き上がった瞬間に、クラッとめまいを感じたことはありませんか?

忙しい日々を送っていると「いつものこと」「血圧が低いから」と見過ごしてしまいがちですが、実はその何気ない症状の背後に、将来の健康寿命を脅かす大きなリスクが潜んでいます。

俗にいう「立ちくらみ」ですが、軽く考えてはいけません。このとき、脳の血流は確実に低下しています。めまいやふらつきは、その危険なサイン。もし転倒でもすれば、事態はさらに深刻です。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳 「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

立ちくらみが起きているとき、私たちの体内では重力による急激な血圧変動が起こり、一時的に脳が「血流不足」に陥っています。つまり、めまいやふらつきは、脳からのSOSサインなのです。

若い頃であれば、少し壁に手をついて休むだけでやり過ごせたかもしれません。しかし、加齢とともにバランス感覚や筋力が低下していると、この一瞬のふらつきが大事故につながる危険性を孕んでいます。

転倒から始まる「認知症への負の連鎖」

特に高齢者の場合、転倒による骨折は、そのまま「要支援・要介護」の状態へ直結します。そして、活動量の低下は、その後の認知症リスクを高めることも知られています。朝のわずかな行動が、人生の質を大きく左右してしまうのです。
――『脳の専門医が教える 100歳までボケない脳 「ミクログリア」が味方する6つの習慣術』より

「たかが転倒」と侮ってはいけません。シニア世代の骨折、特に大腿骨(太ももの付け根)の骨折は、長期の入院や車椅子、寝たきり生活を余儀なくされるケースが多々あります。

さらに恐ろしいのは、体を動かさなくなることで脳への刺激が激減し、認知機能が一気に低下してしまうことです。一度この負の連鎖に入り込むと、元の健やかな生活を取り戻すことは容易ではありません。

脳を守り抜く「朝のワンクッション」

こうした事態を防ぐためのノウハウは、決して難しいものではありません。最大の予防策は「急な動作を避けること」です。

目が覚めたら、まずは布団の中で手足をゆっくりと動かし、全身の血流を促しましょう。その後、いきなり立ち上がるのではなく、一度ベッドの端に腰掛け、数回深呼吸をしてからゆっくりと立ち上がる習慣をつけてください。

朝のたった数十秒の「ワンクッション」を取り入れるだけで、脳の血流は安定し、転倒リスクは劇的に下がります。明日からの小さな心がけが、100歳までクリアな脳と自立した生活を保つための第一歩となるのです。