スペースX、巨大ロケット「スターシップ」が命運握るPhoto:NurPhoto/gettyimages

 米実業家イーロン・マスク氏が率いる宇宙開発企業 スペースX の株価は、6月の新規株式公開(IPO)以来、大幅に下落している。だが、株価が下落基調にあるとしても、その並外れた評価額を正当化するために、マスク氏は依然として多くの取り組みを成功させる必要がある。

 スペースXが描く最も有望なビジョンのほぼ全てが、コストが低くて積載量が大きい巨大ロケット「スターシップ」の実現にかかっている。したがって、実績ある主力ロケット「ファルコン9」の後継機とされるスターシップの不具合が続くことを許容する余地はない。

 上場企業として初の四半期決算を発表したスペースXの株価は、5日午前の米株式市場で急落した。投資家は、4-6月期(第2四半期)の設備投資額184億ドルを懸念しているようで、マスク氏が2030年までに売上高1兆ドルを達成するとの見通しを明らかにしたことも材料視されなかった。実際、スペースXはスターシップを実用化しなければ、その数字に近づくことすらできない。

 ファルコン9は15年以上にわたり、打ち上げ頻度を増やしながら、宇宙に物資を送り届けてきた。昨年は合計165回の打ち上げを記録し、ほぼ2日に1回のペースとなった。しかし、宇宙産業市場の発展に伴い、低軌道への積載能力が約23トンのファルコン9からの飛躍が優先課題となっている。

 その理由の一つは単純で、積載可能重量が拡大すれば、より大型の人工衛星を打ち上げられるからだ。人工衛星の大きさは、その性能に比例することが多い。