年商100万ドルを稼ぐ「一人企業」の台頭ベン・ブロカさんは、カリフォルニア州サウサリートにある自宅のリビングから、AIの力を大いに借りながら、一人で会社を切り盛りしている
Jonah Reenders for WSJ

 ベン・ブロカさん(40)は昨年12月、起業家向けに人工知能(AI)ツールを提供する会社を立ち上げた。すでに1万人の有料顧客を獲得し、今年の売上高は1000万ドル(約15億6700万円)に達する見通しだ。

 まだ増やしていないものがある。従業員だ。

 ブロカさんは、自ら会社を立ち上げ、そのまま単独で切り盛りする起業家の一人だ。AIツールがブロカさんのメールへの返信をはじめ、コード作成やバグ修正の支援、顧客の要望への対応、新規会員の登録、トラブル時の返金手続きまでをこなす。

 ブロカさんは、カリフォルニア州サウサリートの日当たりの良いリビングルームから、何でも自分だけで意思決定できることを楽しんでいる。「妥協は生ぬるい結果を生むと思う」と彼は語った。

 かつては、ある程度の規模の事業を運営するにはチームが必要だった。AIはその前提を覆しつつあり、一人で起業しようとする人が増えている。

年商100万ドルを稼ぐ「一人企業」の台頭テック業界ではこの1年、「ソロ起業家」が急増している。ブロカさんは、チームに縛られることなく自分のペースで仕事を進められる点を好んでいるという
Photo: Jonah Reenders for WSJ

 決済会社ストライプの分析によると、同社のプラットフォーム上には売上高100万ドル以上を生み出す単独事業者は数千人に上り、その数は2023年から2025年にかけて倍増した。売上高1000万ドルの大台を超える単独事業者の数も、同じ期間にほぼ3倍になった。