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習近平国家主席は人民元安を好まない。元安は、少なくとも習氏にとって、メンツの喪失を意味し、世界に示したくない弱さの現れだ。それでも、ワシントンで最も尊敬される専門家の1人の試算によれば、人民元は本来の価値を20~30%下回っている。
これが今週のコラムの核心にある逆説だ。きっかけは、マーク・ソベル氏との対話にある。同氏は元米財務省高官で、国際金融政策に数十年携わり、後に国際通貨基金(IMF)で米国を代表した。現在は独立系シンクタンク、公的通貨金融機関フォーラム(OMFIF)のチーフエコノミストを務めるソベル氏は、人民元の割安さが中国経済の構造に組み込まれている理由を丁寧に説明してくれた。
エコノミストの間では「一国の経常収支は、貯蓄と投資の差に過ぎない」と言われる。中国は膨大な貯蓄を抱えている。一つには金融システムがそのように設計されているからであり、もう一つには家計が、貧弱なセーフティーネット(安全網)に直面しながら、老後や病気に備えて現金を蓄えているからだ。いわゆる「鉄飯碗(安定した雇用)」はかつての姿ではなくなった、とソベル氏は言う。
そうして積み上げられた資金は、国有銀行を通じて国有企業や人工知能(AI)、半導体、電気自動車といった優遇産業に注ぎ込まれ、国内で実際に需要があるかにかかわらず、生産を回し続ける。その取り組みが目覚ましい成果を上げている分野もあるが、多くは中国当局者が今や「内巻(インボリューション)」と表現する事態に陥っている。それは、すでに経済的な合理性を欠いているにもかかわらず、雇用維持や成長目標の達成だけを目的に、地方政府や企業が際限なく工場を動かし続ける不毛な競争を意味している。







