『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者で、社労士として3000件以上の職場の悩みに向き合ってきた本田淳也氏は、会社員時代、退職を申し出た際に上司からかけられた一言を、20年以上経った今でも覚えているという。いったい、どんな言葉だったのか。そして、退職する部下にリーダーはどう接するべきなのか。
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「あんた、有休使うっていうの?」
20年以上前の話です。退職を伝えた後、有給休暇を取得したいと申し出ました。すると返ってきたのが、
「本田さん、有休使うっていうの?」
という一言で、凄むような言い方でした。
当時はまだ退職時の有休一括取得が定番になりつつある時代。それでも、「最後にそんな言葉をかけるのか」という気持ちが込み上げてきました。
その一言は、20年以上経った今でもはっきりと覚えています。
最後の一言は、一生残る
この話で伝えたいのは、有給休暇の権利の話ではありません。
退職するとき、人は最後のやり取りを何年経っても覚えています。
在職中にどれだけいい思い出があっても、去り際に心ない言葉をかけられると、その印象が最後に上書きされてしまう。
「ピーク・エンドの法則」ともいわれますが、人は終わり方で全体の印象を判断しやすいものです。
退職は裏切りではありません。さまざまな理由があって、次のステージに進む決断をした。それだけのことです。会社に貢献してくれた人との、最後の時間です。
最後くらい、気持ちよく送り出す
そこで責める言葉をかけるのか、感謝の言葉をかけるのか。その違いは大きい。
仕事ができる上司はこう言います。
「今までお疲れさま。有休はしっかり使ってね。引き継ぎだけ、最後までよろしくね」
この一言で、退職する人は会社への感謝を持って去ることができます。そして退職後も、その会社のことを悪く言わない。取引先で再会したとき、好意的に関わってくれる。
送り出し方は、その後の関係にまで影響するんです。
逆に、去り際に嫌な思いをさせてしまうと、その人は職場の元同僚にも、友人にも、その経験を話します。小さな組織ほど、その影響は無視できません。
退職する人は、最後の一言を一生覚えています。だからこそ、最後くらいは気持ちよく送り出したいものです。








