40代から50代に訪れる「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」。これまでの自分の生き方に深い疑問を持ちながらも、「今さらキャリアを変えるのはリスクが高すぎる」「好きなことばかりしていては、家族を養えないし生きていけない」と不安に押しつぶされ、会社へと引き返してしまうビジネスパーソンは多い。しかし、「好きなことを仕事にすると生計が立たない」というその前提自体が、実は錯覚なのです。書籍『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』をもとに、そのメカニズムを紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「中年の危機」でそのまま潰れてしまう人の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「お金がないかもしれない」という不安の正体

 中年の危機の根底にあるのは、「お金に対する絶対的な不安」です。

 私たちは無意識のうちに、お金をすべての意思決定の最上位に置いてしまいます。

「好きなことを始めるには、まず莫大な資金が必要だ」
「生計を立てるためには、やりがいのない仕事を我慢して続けなければならない」……

 この思考プロセスが、私たちの行動力を完全に麻痺させています。

 しかし、自分の存在理由に沿った活動を始めるとき、最も重要なのは初期費用でも、完璧なビジネスプランでもありません。

 その活動に対する、あなた自身の圧倒的な「情熱」と「コミットメント」です

世界の果てのカフェ』という本い登場するカフェのスタッフは、このお金の不安に対して、誰もがハッとする本質的なメカニズムを解説しています。

「多くの人が『好きなことを始めるとお金が稼げなくなる』と心配する。でも現実は違うのよ。自分の存在理由(PFE)を特定し、それを満たす活動に本当に情熱を注いでいる人は、誰よりもその分野に熱中し、多くの時間を費やすわ。すると、結果として高い専門性やユニークな価値が生まれ、周りの人がそれを求めてお金を払うようになるのよ。お金は目的ではなく、情熱の追求に対する結果としてついてくるものなの」
――『世界の果てのカフェ』より

情熱を注ぐからこそ、対価が引き寄せられる

 嫌々やっている仕事で、寝る間も惜しんで努力しているライバルに勝つことはできません。

 しかし、あなたが自分の存在理由を満たす活動に取り組むとき、そこには努力を努力とも思わない無限のエネルギーが湧き出ます。

 当然、その分野の専門性は驚異的なスピードで高まり、他者には決して真似できない卓越した価値を提供できるようになります。

 結果として、市場はあなたを放っておかなくなり、対価としてのお金が後からついてくるのです

 お金のためにやりたくない仕事を確実にする「生存優先の生き方」から、存在理由を満たすために情熱を注ぎ、その結果として対価を得る「目的優先の生き方」へ。

 このコペルニクス的転回を信じて一歩を踏み出せるかどうかが、中年の危機を乗り越えて輝かしい人生後半戦を迎えるための、決定的な分岐点となります。

「好きなことをやっている人は、それ自体が報酬だから、誰よりも熱心に、工夫を凝らして取り組むことができる。その卓越した仕事ぶりに、人々は喜んで対価を払うのよ。お金の心配を先にするのをやめ、自分の情熱がどこにあるのかをまず見つめなさい」
――『世界の果てのカフェ』より

「もし、どれだけ失敗しても絶対に経済的に破産しないセーフティネットがあるとしたら、今すぐ始めたい活動は何か?」を考えてみましょう。

 そして、それをビジネスとして大きく始めるのではなく、最初は「週末の無料のブログ執筆」や「趣味の仲間への無償のサービス提供」として、初期投資ゼロのノーリスクから始めてみてください。

 情熱に火をつけるのが先、お金の回収は後からで十分です。