45歳を過ぎて「そこそこの収入もあり、欲しいものは買えているはずなのに、なぜか毎日が寂しく、不幸せに感じられる」――。そんな終わらない不足感に頭を抱えるビジネスパーソンが増えています。この「終わらない不満」の原因は、あなたの能力のせいでも、環境のせいでもありません。他人が作った「こうすれば幸せになれる」というマーケティングメッセージに頭をハックされ、自分の本当の欲求ではなく、「他人の欲望」を消費させられているからです。書籍『やりたいことが見つかる 世界の果てのカフェ』をもとに、そのメカニズムを紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

45歳から「どんどん不幸せになる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「あなたは満たされない」という広告の呪い

 私たちは朝から晩まで、無数の広告メッセージに囲まれて暮らしています。

 テレビ、SNS、電車の吊り広告、街頭の看板……。

 それらの広告が発するメッセージの核心は、常に同じです。

「あなたには何かが足りない。しかし、この商品を買えば、その欠陥は埋められ、幸せになれる」という、巧妙な不足感の植え付けです

 多くの人が、このメッセージを無意識のうちに自分の「本音」だと錯覚してしまいます。

世界の果てのカフェ』という本で描かれる、常連客である元広告会社の幹部アンは、現代人がいかにして「消費の奴隷」に仕立て上げられているか、その仕組みを痛烈に暴露しています。

 私たちは、他人が定義した「幸せのテンプレート」を買い集めるために、必死に働かされているにすぎないのです。

「広告主は、昔から知っているのよ。人々の不安や、満たされたいという欲求に的確にうったえかければ、行動を起こさせることができるのだと。メッセージの目的は、相手に、特定の商品やサービスを通じて満足感を得られると信じ込ませることなの。そして『これらを所有しなければあなたは満たされない』という強力なメッセージが伝わるのよ」
――『世界の果てのカフェ』より

幸福の定義を「他人の手」から奪い返せ

 45歳からの人生で幸福感を取り戻すためには、他者が決めたルールや常識を鵜呑みにするのを今すぐやめなければなりません。

 高級な外車、タワーマンション、高価なブランド時計――。

 これらは本当に、あなた自身の「存在理由」を満たすために必要なものでしょうか。

 他人に自慢するため、あるいは「持っていないと恥ずかしい」という他者目線の不安を解消するために、身の丈に合わない買い物を重ねていないでしょうか。

 アンは、「外の世界を観察し、他者の広告メッセージを真に受けるのをやめること」の重要性を説いています。

 自分を満たすルールを、世間の評価や広告から切り離し、自分の内なる声で再定義すること

 他人の作った「幸せの定義」を消費するのをやめた瞬間、私たちは初めて、本物の精神的自由と充実感を手にするのです。

「私たちは、他人が作った幸せのイメージを自分のものだと勘違いして、それを手に入れるために自分の時間とお金を使い果たしてしまう。でも、他人の定義した幸せをいくら買い集めても、自分自身が満たされることは決してないの。自分のルールで生きることが、広告の罠から抜け出す唯一の道よ」
――『世界の果てのカフェ』より

 あなたが今「欲しい」と思っている高額なもの(車、時計、衣服など)をリストアップし、その横に「もしそれを誰にも自慢できず、SNSにも載せられず、自分一人だけで楽しむとしても、本当に欲しいか?」と自問してみてほしいです。

 もし答えが「ノー」なら、それは他人の広告メッセージに植え付けられた偽物の欲求です。

 その予算と時間を、自分の本当の存在理由を満たす活動へシフトさせましょう。