
潜在的ニーズはありながら、意外に世にないサービスというべきだろうか。公的介護サービスやボランティアなどではカバーしにくい、高齢者の「困りごと」に対応する新たな生活支援サポート事業が誕生した。岐阜県可児市のアイビージャパンが提供する「ねこのて」だ。
同社は1985年、マンホールのインバート(流路)施工業者として創業。事業を進める中で従来、インバート施工において、流路を成形する左官職人の熟練技が必須だった状況を変えるべく、インバート部分をあらかじめコンクリートで工場生産する独自の「インバルブロック」を開発する。
取締役・青木優子氏
昨今の職人不足に対応し、かつ工数・コストの削減にもつながる同商品は、95年、特許・登録商標を取得。「設置実績は10万基を達成し、苦情ゼロの品質の高さでご支持を頂いています」。同社代表取締役・前山勝彦氏はそう語る。
今回、全く異なる事業に乗り出した背景には、「当社がある西可児(西帷子(にしかたびら))地区で、加速的に進む高齢化への危惧がありました」。「ねこのて」の推進を担う同社取締役・青木優子氏はそう明かす。
高齢者自身のニーズに
応え、安心安全を支える
可児市は、名古屋圏のベッドタウンとして70年代から80年代前半にかけて住宅団地が増え、人口が急増した。中でも、西可児地区は市内でも初期に住宅団地が開発され、団塊の世代が多く住む。その結果、「現在、高齢者の方が人口の半数以上を占め、今後も75歳以上の後期高齢者の方の割合が増えていくことが予測されています」(青木氏)。
ここで課題として浮上してきたのが、高齢者の日常的な生活支援をいかに実施するか。公的介護保険制度の下、介護サービスは受けられても、要介護認定を受ける以前のサポート体制は意外に乏しい。無料のボランティアでは、利用者が遠慮しがちな側面があり、民間の見守りサービスなどは、子ども世代が契約者となって、依頼するという位置付けが強い。







