「宿題やったの?」「早く寝なさい」――何気ない親の声がけが、子どもを「うん」「まだ」と、ひと言で受け流すようにさせているかもしれません。『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)の著者で文章の専門家・山口拓朗氏が、子どもの言語化力を伸ばす「親の声がけ」を、書き下ろします。

子どもが「うん」しか言わなくなる、親が夏休みに連発しがちなNG声がけPhoto: Adobe Stock

「具体的に答えたくなる質問」を投げかけよう

「宿題やったの?」「早く寝なさい」「ちゃんとしなさい」――夏休み中、子どもに、繰り返し言っている親御さんもいるでしょう。気持ちはわかりますが、こうした言葉が、子どもが思考する機会や言語化する機会を奪っているかもしれません。

「宿題やったの?」は子どもを問い詰めていますし、「早く寝なさい」は命令です。「ちゃんとしなさい」に至っては、何をどう「ちゃんと」すればいいのか、子ども自身にもわからないことがほとんどです。

こうした言葉がけを繰り返していると、子どもは「やった」「まだ」「うん」など、「ひと言で受け流す」ことを学習していきます。結果として、家庭での会話が単語のやりとりだけになり、子どもが自分の考えや気持ちを考え、みずから言葉にする機会が減っていくのです。

言語化力は、「具体的に答えたくなる質問」をぶつけられたときに育ちます。たとえば、「宿題やったの?」を「今日はどこまで進んだ?」に変えれば、子どもは進捗を自分の言葉で説明せざるを得ません。結果的に、宿題の進み具合を正しく把握することにもつながります。

「早く寝なさい」を「今日は何時に寝られそう?」に変えれば、子どもは自分で時間を考え、見通しを言葉にするようになります。命令されて動くのと、自分で決めて動くのとでは、子どもの主体性にも差が生まれます。

「ちゃんとしなさい」を「どこが難しく感じる?」などに変えれば、子どもは漠然とした注意ではなく、具体的な課題として自分の状況を客観的に捉えようとします。

夏休みは、親子で過ごす時間が長くなる分、問い詰めたり命令したりする言葉が出やすい時期でもあります。だからこそ、意識して問いかけを変えてみる必要があります。「ひと言で終わる声がけ」から「具体的に答えたくなる質問」へ、意識を少しだけシフトさせてみましょう。